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地球が見える 2006年

ワシントン州セント・へレンズ山を立体視

図1 セント・へレンズ山の立体視用画像
(目が疲れないように、あまり長い時間、見ないでください。カラー印刷してから見る場合は、pdfファイルをご利用下さい。左目用pdfファイル右目用pdfファイルも用意しました。)
図1は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のパンクロマチック立体視センサ(PRISM)が2006年10月に捉えたセント・へレンズ山です。赤と青の色眼鏡*1をかけて見ると、ほぼ円錐形のセント・へレンズ山が急峻に盛り上がっていること、大きな火口の北側の壁がなくなっていること、窪んだ火口の中に溶岩ドームがあること、スピリット湖の湖面が平らなこと、セント・ヘレンズ山の北東側に分岐した深い谷があること、セント・ヘレンズ山の北西側に険しい尾根があることなどが手に取るように良く分かります。
標高2,550 mのセント・ヘレンズ山はカスケード山脈の最高峰、レーニエ山(標高4,392 m)の南西80 km、シアトルの南160 km、オレゴン州の州都ポートランドの北東60 kmに位置し、かつて日本の富士山のような美しい姿をしていましたが、1980年5月に大噴火して山頂部を吹き飛ばし、標高が500mも下がって、短径2km、長径3kmの北側が開いた馬蹄形の大きな火口が出現しました。その後、火口底部で溶岩ドームが成長を続け、2004年10月と2005年3月にも噴火するなど火山活動が続いています*2
セント・へレンズ山とその周辺は、大噴火後の1982年にセント・へレンズ火山国定公園に指定され、米国農務省森林局が管理しています。

図2 セント・へレンズ山の周辺の変化
図2上は「だいち」搭載の高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2) が図1と同時に捉えたセント・へレンズ山周辺です。緑色に見える森林や草地に囲まれて、セント・へレンズ山が灰紫色に見えており、溶岩や火山灰が植生に覆われることなく、露出した状態であることが分かります。また、火山灰が北西のノース・フォーク・トートル川と東のマディ川に流れ出ていること、スピリット湖やコールド・ウォーター湖の周辺に降り積もった火山灰がうっすらと残っていることなどが分かります。
図2下は地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)搭載の可視近赤外放射計(VNIR)が1995年8月に捉えたものです。山頂付近など、雲がかかっているところがありますが、それ以外は良く見えています。
上図と下図は観測した季節の違いにより、画像の明るさ、地表の凹凸の見え方、植物の繁茂の度合いが異なっています。しかし、これらの点を考慮して、両者を見比べると、ノース・フォーク・トートル川の火山灰が下流に押し流されたこと、スピリット湖の南東の火山灰で覆われていたところで植生が回復しつつあることが分かります。また、スピリット湖の形が変わったように見えますが、図1を立体視すると、スピリット湖の灰色の部分が平らに見えることから、湖面に火山灰が浮かんでいて、風向きによってその位置を変えたためにそう見えることが分かります。

図3 セント・へレンズ山周辺の広域図
(Google Earthで見るセント・へレンズ山(kmz形式、1.37MB、低解像度版))
セント・へレンズ山の南北にいくつかの湖が見えますが、これらはいずれも川の途中に作られたダム湖です。図の左下隅には、カナディアン・ロッキーに源を発し、北アメリカでミシシッピー川に次いで流量の大きいコロンビア川が見えています。
図上のリッフル湖とメイフィールド湖はレーニエ山に源を発するカウリッツ川の途中に作られたダム湖で、セント・へレンズ山に源を発するトートル川を合流してコロンビア川に合流し、太平洋に注ぎます。セント・へレンズ山の南西の山麓から流れ出るカラマ川もコロンビア川に合流します。セント・へレンズ山の南を流れるルイス川は途中に造られたスウィフト貯水池、イェール湖、マーウィン湖を経て西に流れ、やはりコロンビア川に合流します。



参照サイト:
*1 赤青メガネの作り方について(「榛名山を立体視」付録参照)
*2 セント・へレンズ火山国定公園(米国農務省森林局のサイト、英語のみ)

観測画像について:
(図1)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2006年10月11日19時12〜13分頃(世界標準時)
地上分解能: 2.5 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
図1は直下視の画像(赤)と前方視の画像(緑と青)を用いています。ですから、画像の正面よりも、やや右側から見ると、自然な感じで立体画像を見ることができます。左目で衛星の直下を、右目で衛星の前方を見るので、左側が衛星の進行方向になり、左側がほぼ南の方向に対応します。図2及び図3では上側が北になっていますが、図1では右側がほぼ北になっているので、注意しましょう。

(図2上及び図3)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年10月11日19時13分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は4 つのバンドで地上を観測します。図2上及び図3は、可視域のバンド3 (610〜690ナノメートル)、近赤外域のバンド4 (760 〜890ナノメートル)、可視域のバンド2 (520 〜600ナノメートル)のデータにそれぞれ赤、緑、青色を割り当てたカラー合成画像です。この組合せでは、肉眼で見たのに近い色合いで植生を強調した画像となり、雲は白く、露出した岩や火山灰は灰紫色に、農地や草地は薄緑色に、森林は深緑色に見えます。黒は水面(湖や川)、データがないところを示しています。 北側の斜面も黒っぽく見えています。

(図2下)
観測衛星: 地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)
観測センサ: 可視近赤外放射計(VNIR)
観測日時: 1995年8月3日19時23分頃(世界標準時)
地上分解能: 18.3 m×24.2 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
 可視域の630〜690ナノメートル、近赤外域の760〜860ナノメートル、可視域520〜600 ナノメートルの各バンドに赤、緑、青色を割り当てているので、上記のAVNIR-2画像とほぼ同じように見えています。

関連サイト:
アナグリフ方式による地形の実体視(国立沼津工業高等専門学校のサイト)
ALOS 解析研究ページ
ワシントン州レーニエ山を立体視
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
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画像:衛星から見た地球のデータ集
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