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地球が見える 2006年

流氷の季節到来2006

図1:2006年1月23日(上段)および24日(下段)のオホーツク海氷分布
(左側:AMSR-E、右側:MODIS)
1月24日、昨年、世界自然遺産に登録された知床半島のオホーツク海沿岸の町、斜里町ウトロに、今年初めて流氷が接岸しました。図1は、接岸の前後にAMSR-EおよびMODISが捉えたオホーツク海の様子です。図1左側のAMSR-E画像では、サハリンの東岸沖から南に延びる流氷が赤く見えています。図1右側のMODIS画像では、白ないし青っぽい灰色の雲の下に、黄色く色づけられた流氷の様子を見ることができます。北海道の北およそ1,000〜1,500 kmのオホーツク海北西部のシベリア沿岸沖で生まれた流氷は、サハリン東岸を流れる海流にのって南下し、北海道の沿岸近くにまで運ばれてきます。天候に左右されずに観測できるマイクロ波センサであるAMSR-Eの画像を見ると、接岸前日(23日)にはまだ知床半島から遠く離れていた流氷が、北西の風に押されて、接岸日(24日)に一気に半島付近にまで押し流されていることが分かります。一方、光学センサであるMODISが捉えた雲の様子からも、接岸当日、北西からの強い風が吹いていることがわかります。

図2 2004/1/23 図3 2005/01/23 図4 2006/01/23
オホーツクの海氷分布 (Aqua/AMSR-E) ムービーはこちら (1.71MB)
この冬は、日本付近に例年以上に強い寒波が流入し、昨年12月の平均気温が1985年以来20年ぶりの全国低温(参考:気象庁報道発表資料)となるなど、全国的に寒くなっています。しかし、図2〜4を見ると、オホーツク海全域でのこの時期の流氷面積は、2004年以降、年々縮小傾向にあることが分かります。特に今年の流氷面積は、昨年に比べて、流氷のふるさとであるオホーツク海北西部のシベリア沿岸付近で大きく縮小していることが分かります。この海域では、例年、冷たい季節風が吹き荒れていますが、AMSR-Eの観測データによると、風上に位置するシベリア東部の昨年12月の平均地温が、平年に比べて高温であったことが分かっています。このことが、今年のオホーツク海の流氷面積の減少傾向と関係があるものと考えられます(AMSR-Eによる地表面温度の観測結果については、次回、このホームページで紹介する予定です)。

オホーツク海は、海氷が形成される世界中の海の中で最も低緯度に位置する海域で、ここで成長する海氷域の増減は、私たちの住む日本列島周辺の気候や漁獲量と密接な関わりを持っています。オホーツク海での流氷の成長の様子を見守ることは、地球環境の健康状態の現状そして未来を知るものさしとしても大変重要です。

昨年に引き続き,オホーツク海に広がる流氷の最新状況を「オホーツク海の海氷分布ページ」で公開しています。オホーツク海全域に広がる流氷の様子,そして北海道沿岸に迫る細かい流氷分布の画像が毎日更新されています。また,スライドショーで流氷分布の動きを動画で見ることもできますので、ぜひご覧ください。



参考サイト:
気象庁報道発表資料

観測画像について:
(図1右)
観測衛星: 地球観測衛星Terra (NASA)
観測センサ: MODIS(NASA)
観測日時: 2006年1月23日及び24日
これらの画像は、MODISのチャンネル4(緑の波長帯545〜565 nm)を赤、チャンネル2(近赤外の波長帯841〜876 nm)を緑、チャンネル5(短波長赤外の波長帯1230〜1250 nm)を青に割り当てたカラー合成画像です。海氷が薄肌色、雲が白色に強調されるので、海氷と雲が識別しやすくなっています。空間分解能は500 mです。

(図1左、図2〜4及びムービー)
観測衛星: 地球観測衛星Aqua (NASA)
観測センサ: 改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-E (JAXA)
観測日時: 2006年1月23日及び24日( 図1左)
2004年1月23日 (図2)
2005年1月23日 (図3)
2006年1月23日 (図4)
2005年12月1日〜2006年1月30日(ムービー)
これらの図はAMSR-Eの6つの周波数帯のうち、36.5 GHz帯の水平・垂直両偏波と18.7 GHz帯の水平・垂直両偏波のデータを元に、AMSR/AMSR-Eのアルゴリズム開発共同研究者(PI)であるNASAゴダード宇宙飛行センターの Josefino C. Comiso博士のアルゴリズムを用いて算出された海氷密接度を表しています。海氷密接度とは、観測視野内を海氷が覆う割合を示したもので、0 %は開放水面(海面)、100 %は全て海氷で覆われている状態を示します。海氷密接度の低いところは水色で、高くなるにつれて黄色、オレンジと変化し、高いところは赤ないし濃い朱色で表示しています。陸域は灰色で、開放水面(海面)は濃い青で、データのないところは白で示しています。空間分解能は実効的に15 km程度です。

関連サイト:
冬の風物詩:流氷到来
流氷の季節到来
地球が見える 北極・南極のページ

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画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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