地球が見える 2005年
麗しき島(イラ・フォルモサ)の中心都市:台北
一方、市街地の東部は開発が進んでいる地域で、建国の父、孫文を記念する国父記念館、台北市政府(市役所)、台北世界貿易中心(センター) などが見えています。2004年の大晦日に開館式典が行われ、高さ508 m、地上101階建てで、現在世界一の高さを誇る台北101は図2の時点では工事中でした。市街地南部には台湾大学があります。 図2の下の方には工事中の高速道路が見えていて、右下には工事中のインターチェンジの近くに広さ165ヘクタールの広大な台北市立動物園(上野動物園は14ヘクタール、旭川市旭山動物園は15ヘクタール)があります。図の真ん中を東西に横切っているのは中山高速道路(公路)で、東は基隆市まで、西は中正国際空港方面に延び、やがて南に向きを変えて、高雄市に至る全長372.8kmの台湾の大動脈です。1971年に工事が始まって、1974年に部分開通し、1978年に全面開通しました。ちなみに中山とは、孫文の字です。 図2の上の方には、新北投温泉、国立故宮博物院、圓山大飯店および忠烈祠が見えています。新北投温泉は1894年にドイツ人によって発見され、日本による統治が始まった翌年の1896年に日本人が温泉旅館を建て、その後の温泉街の発展につながりました。 国立故宮博物院は中国の歴代皇帝が収集した70万点近くの収蔵品を誇り、ロンドンの大英博物館、パリのルーブル美術館、ニューヨークのメトロポリタン美術館、サンクト・ペテルブルクのエルミタージュ美術館と並ぶ、世界の主要な博物館・美術館の一つです。これらの収蔵品は、元来、北京の故宮博物院が所蔵していたものです。しかし、日本軍の中国への侵攻の際に、戦火から収蔵品を守るために1933年に南京に、1937年には四川省の三カ所に移され、第二次世界大戦後に南京と北京に戻されたものの、国民党と共産党との内戦の激化に伴って精選された収蔵品が1948年に台北に運ばれ、現在に至ったものです。なお、国立故宮博物院では、2004年4月から2006年6月までの予定で、大規模な改装工事が行われており、現在、公開されている本館の展示スペースは本来の1/3程度に止まっています。 圓山大飯店は14階建ての中国の宮殿の建築様式を採用した高級ホテルです。 忠烈祠には抗日戦争や共産党と国民党間の内戦によって犠牲となった将兵などおよそ33万人の御霊が祀られています。
近々、打上げ予定の陸域観測技術衛星(ALOS)には地上分解能10mの高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が搭載されるので、より鮮明な最新の画像をお届けできる予定です。
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