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地球が見える 2005年

壁で分断された都市:ベルリン(その2)

ティーアガルテン ポツダム周辺
*A, Bの枠内をクリックすると拡大図を見ることができます

図は日本の地球観測衛星「みどり」に搭載されたセンサAVNIRが1997年5月に捉えたドイツの首都ベルリンとその周辺です。薄い雲がかかっている部分がありますが、中央にベルリンの市街地が、左下にはブランデンブルク州の州都、ポツダムが灰色に見えています。図の色づけは肉眼で見たのと同じ色づけなので、森林は濃い緑色に、牧草地や畑地は薄い緑色、黄緑色、または薄い茶色に見えており、郊外に森林や畑、草地が広がっていることが分かります。高速道路や空港の滑走路などは白っぽく見えています。

フレームA中央の濃い緑色の部分は広大な公園ティーアガルテンで、その北東側の旧帝国議会議事堂を含むシュプレーボーゲン地区と南東側のポツダム広場周辺が黄土色に見えていて、再開発の工事が行われていることが分かります。ポツダム広場の近くにはベルリン・フィルハーモニーがあります。ティーアガルテンの東端には、ベルリンの壁崩壊の象徴となったブランデンブルク門があり、そこから東に博物館島までウンター・デン・リンデン(「菩提樹の下で」という意味)が延びており、その北側にはフンボルト大学がH字型に見えています。博物館島には5つの博物館の他にベルリン大聖堂もあります。さらに東に進むと旧東ドイツの象徴でもあったテレビ塔と旧東ドイツの政治の中心地、アレクサンダー広場があります。フレームA右端のオスト駅は、旧東ベルリン中央駅で、今でも東ヨーロッパ各地とベルリンを結ぶ起点となっています。
一方、ティーアガルテン南西のツォー(「動物園」という意味)駅は西ヨーロッパへの起点となっており、その近くには、社会主義に対する資本主義のショーウィンドーとして1965年に建てられたオイローパ・ツェンターや高級商店街クーアフュルステンダム(通称クーダム)があります。
ティーアガルテン西には、1701年に初代プロイセン国王に即位したフリードリッヒ1世が建てたシャルロッテンブルク宮殿が見えています。着工したのは1695年ですが、増築を繰り返して、現在の姿になったのは、18世紀末のことです。
さらに西にはオリンピック・スタジアムが見えています。ここは、1936年にナチス政権下で開催されたベルリン・オリンピック大会の主会場となったところです。同大会では、女子平泳ぎで日本の前畑選手が金メダルを獲得しました。2006年7月9日にはワールドカップサッカーの決勝戦が行われる予定す。

フレームBはポツダム周辺の拡大図で、1990年に世界遺産リストに登録され、その後1992年と1999年に対象物が追加された「ポツダムとベルリンの宮殿群と公園群」が含まれていて、サン・スーシ宮殿、新宮殿などが見えています。この世界遺産は1730年から1916年にかけて建設された500 haの公園と150棟の建物から成り、周囲の自然と調和して芸術的な一体感を形成しています。宮殿群と公園群はハーフェル川とグリーニッケ湖の堤防に沿って並んでいてベルリンの南西部まで延びています。
1745年から1747年にかけて築かれたサン・スーシ宮殿ではフリードリヒ2世(大王)がフランスの哲学者・作家のヴォルテールと親交を深めました。
ツェツィリエンホーフ宮殿はもともとプロイセン王家の居城として建てられた宮殿でしたが、1945年、米英ソの首脳が集まり、日本の無条件降伏を決めたポツダム会談が行われた場所として有名です。

近々、打上げ予定の陸域観測技術衛星(ALOS)には地上分解能10mの高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が搭載されるので、より鮮明な最新の画像をお届けできる予定です。



参考文献:
木戸衛一編著、「ベルリン 過去・現在・未来」、三一書房、1998
首都の特質と首都機能再配置の諸形態(PDF)(国立国会図書館)
ドイツの実情(ドイツ連邦共和国外務省)
ドイツ連邦政府公式サイト(英語)
ユネスコ世界遺産センター(英語)

観測画像について:
(図及びフレームA, B)
観測衛星: 地球観測プラットフォーム技術衛星「みどり」(ADEOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計(AVNIR)
観測日時: 1997年5月16日
AVNIRの 4つの観測バンドのうち、いずれも可視域の610〜690ナノメートル(バンド3)、520 〜600ナノメートル(バンド2)、420 〜500ナノメートル(バンド1 )のデータにそれぞれ赤、緑、青色を割り当てたカラー合成画像です。この組合せでは、肉眼で見たのと同じような色合いとなり、次のように見えています。なお、元画像の分解能は16 mです。

深緑:森林
緑:畑や牧草地
黄土色または茶色:畑や土壌
濃い青:水面
灰色:市街地、道路
白:雲、建物
黒:データなし

関連サイト:
壁で分断された都市:ベルリン(その1)
ポツダムとベルリンの宮殿と庭園 [ドイツ]
世界遺産を取り巻く高層住宅群:サンクト・ペテルブルク
アインシュタインの「奇跡の年」の舞台:スイス、ベルン
発展を続ける天使の都:バンコク
霧のない晴れ上がった都、ロンドン

付録:
ベルリンのムゼウムスインゼル(博物館島):
1999年に世界遺産リストに登録されました。美術館の建設は18世紀の啓蒙主義の影響を受けており、1824年から1930年にかけてベルリンの博物館島には5つの美術館が建てられました。これらは建設年代順に、旧博物館、新博物館、国立絵画館、ボーデ博物館、そしてペルガモン博物館です。各美術館は、その収蔵品と建物が有機的に関係を保つように設計されています。

ベルリン遷都:
1990年10月に再統一を実現したドイツでは、連邦政府の所在地が重要な問題となり、白熱した議論の末に1991年6月に連邦議会や過半数の連邦政府機関がボンからベルリンへ移転することが決められ、1993年の国際設計コンペを経て、1999年9月までにほぼ実現しました。
ベルリンへ移転した連邦機関は次のとおりです。
  連邦議会、連邦参議院、大統領府、首相府、外務省、内務省、法務省、財務省、経済・労働省、家庭・高齢者・婦人・青少年省、運輸・建設・住宅省
一方、ボンに残留した連邦機関は次のとおりです。
  教育・研究省、環境・自然保護・核安全省、消費者保護・食料・農業省、経済協力・開発省、国防省、厚生・社会保障省
このように首都機能が2都市に分散配置されましたが、その欠点を補うため、ボン在留諸官庁はベルリンに支所を設置し、逆にベルリン移転諸官庁はボンに支所を設置して、支所には現有職員の約10%を配置しています。
この首都機能移転のために、旧東西ベルリンの境界付近から旧東ベルリン中心部にかけての2カ所で再開発事業が行われました。
一つはシュプレーボーゲン地区(シュプレー川が曲がっていて旧帝国議会議事堂を中心とする地区)には、連邦議会(旧帝国議会議事堂を改修して使用)及び関係機関や首相府などが配置されました。シュプレーインゼン地区(上記地区の東側に位置する旧東ドイツ政府の官庁街)には法務省、経済省、外務省などが配置されました。移転官庁の建物のうち、新築されたのは首相府と外務省だけで、他は旧東ドイツ政府庁舎を改修して利用しています。
移転経費は200億マルク(1兆2,000億円)と言われています。
また、上記両地区の南側のポツダム広場周辺地区では、ソニー・センターとダイムラー・クライスラー・アリアールを含む再開発事業が民間企業により実施されました。
現在、ベルリンを含むドイツ国内の主要都市、さらにスイスのチューリッヒやオーストリアのウィーンなど隣国の主要都市との間にはICE(都市間超特急)が整備され、ベルリン(ツォー駅)・ボン間は約4時間で結ばれています。シュプレーボーゲン地区には2006年に新駅(レアタール駅)が完成し、ICEの発着駅となる予定です。

ベルリンの略歴:
  1240年ころ シュプレー川の河畔のケルンとベルリンの名が古文書に登場
  1701年 ブランデンブルク選定候フリードリッヒ3世がベルリンに入城
  1709年〜 プロイセン王国の王都
  1806年10月〜 1808年12月 フランス、ナポレオン軍が占領
  1871年4月〜 ドイツ帝国の帝都
  1920年10月〜 ドイツ共和国の首都
  1933年3月〜 ナチ「第3帝国」の首都
  1945年5月〜 ソ連軍によって占領
  1945年7月〜 米・英・仏・ソによって分割管理
  1946年1月 戦後初の市議会選挙
  1948年6月〜1949年5月 ソ連による西ベルリン封鎖
  1948年9月 市政が東西に分裂
  1961年8月〜1989年11月 ベルリンの壁による分断
  1990年6月 東西の市庁・市議会が合同会議を開催し、市の一体性回復を決議。
  1990年10月 ドイツ統一
  1991年6月 連邦議会、ベルリンへの議会・政府機関の移転を可決
  1993年 ベルリン再開発計画の国際設計コンペ
  1994年8月 東ベルリンからソ連軍撤退
  1994年9月 西ドイツから米英仏軍撤退
  1999年夏 ベルリンへの議会・政府機関の移転
  2001年5月 シュプレー河畔に新築された首相官邸の鍵が、連邦首相に渡された。

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