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地球が見える 2004年

土壌水分から知るアフリカの季節変化

(図1)2003年2月の土壌水分分布 (図2)2003年8月の土壌水分分布
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広大な沙漠が広がる北アフリカ、西海岸沿岸部からコンゴ川流域におよぶ熱帯雨林とそれを取り囲むサバンナが分布する西・中央・東アフリカ、主にサバンナの台地で西海岸に沙漠が広がる南部アフリカ−アフリカ大陸にはまったく異なる植生が存在し、その気候特性も地域によってさまざまです。こうした植生や気候の違いは、衛星のデータからもある程度読みとることができます。

図1、2は、Aqua衛星に搭載されているセンサAMSR-Eがとらえた、昨年2月(図1)と8月(図2)のアフリカ大陸の土壌水分(*1)の分布です。赤いほど土壌水分が少なく、青いほど土壌水分が多いことを示しています。北アフリカは、地中海沿岸や南部の限られた地域ではまとまった降水量があるものの、年間を通じて雨が降る地域はなく、サハラ沙漠においては年に1度も雨が降らないことも珍しくありません。画像を見ると、図1でモロッコからチュニジアにかけての地中海沿岸域で土壌水分が多くなっているほかは、赤から黄色で示される土壌水分の非常に少ない状態であることがわかります。

また南部アフリカやマダガスカルでは、南半球の夏にあたる10月から3月に、発達した低気圧が土砂降りの雨をもたらしますが、4月から9月の冬のあいだは、大気は乾燥して空には一片の雲もありません。雨季に相当する図1では、大西洋側のナミブ沙漠を除いて南部アフリカ全域で土壌水分が多くなっていますが、乾季に相当する図2では北アフリカと同様に非常に乾燥していることがわかります。

そして、熱帯雨林とサバンナを有する西・中央・東アフリカでは、西海岸沿岸で最も降水量が多く、熱帯雨林全体で見ても年間を通じて豊富な降水量があります。画像を見ると、雨の少ない2月(図1)では、雨の多い8月(図2)に比べて青で示される土壌水分の多い地域の北限が下がっていますが、熱帯雨林では図1、2ともに豊富な土壌水分があることがわかります(*2)。

衛星による土壌水分の観測データは、地球規模の気候変動を予測するために重要な役割を果たすと同時に、地域の農業生産管理のためにも重要な情報であると期待されています。



(*1) 単位体積の土壌中に含まれる水分を重さ(g)で表したもの。
(*2) AMSR-Eによる土壌水分分布の値は、植生分布の影響を受けている可能性があります。

観測画像について
観測衛星: 地球観測衛星Aqua (NASA)
観測センサ: 改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-E (JAXA)
観測日時: 2003年2月(図1)、2003年8月(図2)

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モンゴル高原の土壌水分分布——現実的になった衛星からの土壌水分観測——
本文ここまで。
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