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「ワールドビュー・ツー」(WorldView-2)による平成23年(2011年)台風12号豪雨災害の観測結果
2011年9月2日から4日にかけて大型で強い台風12号の通過に伴い、四国、近畿、中国、東海地方を中心に広範囲で記録的な大雨が続き、土砂崩れ、堤防の決壊や床上・床下浸水などが起こり、各地で被害がもたらされています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)では2011年9月8日に引き続き、国際災害チャータ*1の協力により提供されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)*2衛星(2011年9月13日11時9分頃(日本時間)観測)のデータ解析を実施しました。
図1は、ワールドビュー・ツーが今回観測した画像の様子を示したもので、バンド3,2,1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の目で見た色に近くなっています。
図1: 観測した画像
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観測日時: 2011年9月13日11時9分頃 (日本時間)
図2において、左図は災害後の2011年9月13日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像*3、右図は災害前の2009年2月15日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載センサ・プリズムとアブニール・ツーによるパンシャープン画像で、それぞれトゥルーカラー画像で表示しています。
図2は、奈良県天川村坪内地区周辺の画像で、黄色で示した箇所で土砂崩れが発生し、河川に流入している様子を確認できました。
図2: 奈良県天川村坪内地区周辺の様子(約3km×3kmのエリア)災害後2011年9月13日観測(WorldView-2)
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図2: 奈良県天川村坪内地区周辺の様子(約3km×3kmのエリア)災害前2009年2月15日観測(ALOS)
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図3において、左図は災害後の2011年9月13日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、右図は災害前の2010年10月6日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のパンシャープン画像で、それぞれトゥルーカラー画像で表示しています。図3は奈良県上北山村白川地区周辺を拡大した画像です。黄枠で示した箇所では大規模な土砂崩れを確認できました。
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災害後2011年9月13日観測(WorldView-2)
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災害前2010年10月6日観測(ALOS)
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図3: 奈良県上北山村白川地区周辺の様子(約3km×3kmのエリア)
図4において、左図は災害後の2011年9月13日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、中央図は災害後の2011年9月8日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、右図は災害前の2009年2月15日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のパンシャープン画像で、それぞれトゥルーカラー画像で表示しています。図4は奈良県五条市赤谷地区周辺を拡大した画像です。黄枠で示した箇所では大規模な土砂崩れを確認できました。また、赤枠で示した場所では、依然として土砂崩れによる堰止め湖が確認できます。なお、画像左側の赤枠の堰止め湖では、9月8日に比べると水域がわずかに縮小している様子が分かります。
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災害後2011年9月13日観測(WorldView-2)
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災害後2011年9月8日観測(WorldView-2)
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災害前2009年2月15日観測(ALOS)
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図4: 奈良県五条市赤谷地区周辺の様子 (約4.5km×4.5kmのエリア)
図5において、左図は災害後の2011年9月13日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、中央図は災害後の2011年9月8日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、右図は災害前の2009年2月15日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のパンシャープン画像で、それぞれトゥルーカラー画像で表示しています。図5は奈良県十津川村田長瀬地区周辺を拡大した画像で、黄枠で示した箇所で大規模な土砂崩れを確認できました。
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災害後2011年9月13日観測(WorldView-2)
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中央図: 災害後2011年9月8日観測(WorldView-2)
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災害前2009年2月15日観測(ALOS)
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図5: 奈良県十津川村田長瀬地区周辺の様子 (約1.5km×1.5kmのエリア)
図6において、左図は災害後の2011年9月13日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、中央図は災害後の2011年9月8日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、右図は災害前の2010年10月6日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のパンシャープン画像で、それぞれトゥルーカラー画像で表示しています。図6は奈良県十津川村栗平地区周辺を拡大した画像で、黄枠で示した箇所で土砂崩れを確認できました。また、赤枠で示した場所では、依然として土砂崩れによる堰止め湖が確認できます。
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災害後2011年9月13日観測(WorldView-2)
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中央図: 災害後2011年9月8日観測(WorldView-2)
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災害前2010年10月6日観測(ALOS)
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図6: 奈良県十津川村栗平地区周辺の様子 (約3km×3kmのエリア)
図7において、左図は災害後の2011年9月13日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、中央図は災害後の2011年9月8日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、右図は災害前の2010年10月6日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のパンシャープン画像で、それぞれトゥルーカラー画像で表示しています。図7は奈良県十津川村風屋ダム周辺を拡大した画像で、黄枠で示した箇所で土砂崩れを確認できました。また赤枠で示した場所では、風屋ダムに滞留する大量の堆積物を確認できました。9月13日の画像では、堆積物が移動している様子が確認できました。
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災害後2011年9月13日観測(WorldView-2)
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中央図: 災害後2011年9月8日観測(WorldView-2)
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災害前2010年10月6日観測(ALOS)
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図7: 奈良県十津川村風屋ダム周辺の様子 (約3km×3kmのエリア)
図8において、左図は災害後の2011年9月13日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、中央図は災害後の2011年9月8日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、右図は災害前の2010年10月6日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のパンシャープン画像で、それぞれトゥルーカラー画像で表示しています。図8は奈良県十津川村津越野地区周辺を拡大した画像で、黄枠で示した付近において土砂崩れが発生している様子を確認することができました。また、赤枠で示した場所では、依然として風屋貯水池に滞留する堆積物を確認できます。
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災害後2011年9月13日観測(WorldView-2)
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中央図: 災害後2011年9月8日観測(WorldView-2)
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災害前2010年10月6日観測(ALOS)
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図8: 奈良県十津川村津越野地区周辺の様子 (約4km×3kmのエリア)
図9において、左図は災害後の2011年9月13日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、中央図は災害後の2011年9月8日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、右図は災害前の2010年10月6日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のパンシャープン画像で、それぞれトゥルーカラー画像で表示しています。図9は奈良県十津川村釜中谷から山崎谷周辺を拡大した画像で、黄枠で示した付近において土砂崩れが発生している様子を確認できました。
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災害後2011年9月13日観測(WorldView-2)
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中央図: 災害後2011年9月8日観測(WorldView-2)
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災害前2010年10月6日観測(ALOS)
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図9: 奈良県十津川村釜中谷から山崎谷周辺の様子 (約5km×3kmのエリア)
図10において、左図は災害後の2011年9月13日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、中央図は災害後の2011年9月8日に観測されたWorldView-2(ワールドビュー・ツー)のパンシャープン画像、右図は災害前の2010年10月6日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)のパンシャープン画像で、それぞれトゥルーカラー画像で表示しています。図10は奈良県十津川村五百瀬地区周辺を拡大した画像で、黄枠で示した付近において土砂崩れが発生している様子を確認できました。
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災害後2011年9月13日観測(WorldView-2)
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中央図: 災害後2011年9月8日観測(WorldView-2)
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災害前2010年10月6日観測(ALOS)
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図10: 奈良県十津川村五百瀬地区周辺の様子 (約3km×3kmのエリア)
取得された画像は、内閣府、国土交通省、近畿地方整備局、中部地方整備局、国土交通省国土技術政策総合研究所、奈良県、和歌山県、三重県等の防災関係機関に提供しています。
*1 国際災害チャータ:
正式名称を「自然または人為的災害時における宇宙設備の調和された利用を達成するための協力に関する憲章」といい、宇宙機関を中心とする災害管理に係る国際協力枠組みの事を指します。1999年7月、仏国立宇宙センター(CNES)及び欧州宇宙機関(ESA)によって発表され、翌2000年6月、両機関長の署名を持って発効しました。2005年4月現在までに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)を含む7つの宇宙機関が参加しています。
*2 WorldView-2(ワールドビュー・ツー):
WorldView-2はアメリカのDigitalGlobe社が所有する高解像度地球観測衛星で、カラー情報を持つ分解能2mの光学センサと、白黒ですが分解能0.5mの光学センサを搭載しています。
*3 パンシャープン画像:
高分解能であるパンクロマチック画像とカラー情報を持つマルチスペクトル画像を用いて、擬似的にパンクロマチック画像と同等の分解能を持つカラー画像にしたものです。