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「レーダーサットツー」(RADARSAT-2)による平成23年(2011年)台風12号豪雨災害の観測結果
2011年9月2日から4日にかけて大型で強い台風12号の通過に伴い、四国、近畿、中国、東海地方を中心に広範囲で記録的な大雨が続き、土砂崩れ、堤防の決壊や床上・床下浸水などが起こり、各地で被害がもたらされています。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、2011年9月7日5時48分頃(日本時間)に観測、国際災害チャータ*1を通じてカナダ宇宙庁(CSA)の協力により提供された、「レーダーサットツー」(RADARSAT-2)*2衛星のデータの解析を実施しました。
図1は今回観測された範囲を示したもので、赤枠がRADARSAT-2での観測範囲を示しています。取得された画像は、内閣府、国交省、国土交通省国土技術政策総合研究所、和歌山県、三重県等の防災関係機関に提供しています。
なお、JAXAでは今後も、国際災害チャータやセンチネルアジア*3の協力を得て、当該地域の観測、データ解析を継続する予定です。
*1 国際災害チャータ:
正式名称を「自然または人為的災害時における宇宙設備の調和された利用を達成するための協力に関する憲章」といい、宇宙機関を中心とする災害管理に係る国際協力枠組みの事を指します。1999年7月、仏国立宇宙センター(CNES)及び欧州宇宙機関(ESA)によって発表され、翌2000年6月、両機関長の署名を持って発効しました。2005年4月現在までに、宇宙航空研究開発機構(JAXA)を含む7つの宇宙機関が参加しています。
*2 RADARSAT-1(レーダーサット・ワン)、RADARSAT-2(レーダーサットツー):
RADARSAT-2はCSA(カナダ宇宙局)及びMDA(MacDonald, Dettwiler and Associates)が共同で開発・運用している地球観測衛星で、Cバンド合成開口レーダを搭載しています。このレーダは、陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR)と原理は同様ですが、PALSARとは異なる波長のマイクロ波を用いて観測を行っています。
*3 センチネルアジア:
センチネルアジアはアジア太平洋地域の災害管理に資するため地球観測衛星画像から得られる災害関連情報を共有する活動です。JAXAをはじめとするアジア太平洋地域の宇宙関係機関、アジア防災センター(ADRC)をはじめとする防災関係機関、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)をはじめとする国際機関、および大学、研究所などが協力して推進しています。得られた衛星画像、解析結果などはWebサイトに公開されています。また、WebサイトのGISにより各種の関連災害情報をGISで表示・解析することが可能です。