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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による霧島山(新燃岳)噴火における緊急観測結果(8)
2011年1月19日午前1時27分頃に、霧島山(新燃岳)にて小規模な噴火が発生しました。その後は大きな空気振動を伴う爆発的噴火が断続的に起こっています。宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)では1月28, 29, 31日, 2月2日, 5日に引き続き、2月7日午前11時8分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*1により現地の緊急観測を実施しました。
図1は今回観測した画像全体の様子を示したもので、アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており人の目で見た色に近くなっています。紫色枠: 図2、図3、図4の範囲 高分解能画像
図2-1、図2-2は噴火後の2011年2月7日、2月5日、2月4日、2月2日と1月31日、噴火前の2009年12月29日に観測された画像から、噴火口付近を拡大したものです。2月7日の画像では噴煙が減少しており、噴火活動が小康状態になっている様子が分かります。
図3は噴火後の2011年2月7日、2月4日と噴火前の2009年12月29日に観測された画像から都城市の市街地全域を拡大した画像です。広範囲に渡って灰色味を帯びており、依然火山灰に覆われている様子を確認できます。
図4は噴火後の2011年2月7日と噴火前の2009年12月29日に観測された画像から高原町付近を拡大した画像です。高原町は2月5日に避難勧告対象域が縮小されましたが、図3と同様に火山灰で覆われている様子を確認できます。なお本日の観測で、初めて高原町の様子をはっきりと確認することができました。
取得された画像は、内閣府、気象庁、国土技術政策総合研究所、土木研究所へ提供しました。
JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。
*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):
青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、衛星進行方向に対して東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。なお、噴火後の2011年1月31日は東方向に27度、2月2日は0度、2月4日は西方向に31度、2月7日は東方向に10度、噴火前の2009年12月29日の画像は西方向に34.3度で取得しました。
関連情報
2011/1/28: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による霧島山(新燃岳)噴火における緊急観測結果
JAXA EORC