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陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による霧島山(新燃岳)噴火における緊急観測結果

2011年1月19日午前1時27分頃に、霧島山(新燃岳)にて小規模な噴火が発生しました。その後、噴火が続き1月27日午後3時41分には大きな空気振動を伴う爆発的噴火を観測しました。宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)では1月21、23、24日に引き続き、1月28日午前10時56分頃に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*により現地の緊急観測を実施しました。

残念ながら画像全体が雲に覆われ、降灰の様子までは確認できませんでしたが、噴煙を確認することができました。なお、1月21、23、24日のアブニール・ツー観測画像は、多くの雲に覆われ霧島山および被災地域の確認に至りませんでした。

図1は今回観測した画像全体の様子を示したもので、アブニール・ツーのバンド3, 2, 1を合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており人の目で見た色に近くなっています。
図1: 今回観測した画像全体
図1: 今回観測した画像全体
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観測日時: 2011年1月28日10時56分頃(日本時間)

センサ: AVNIR-2(アブニール・ツー)

ポインティング角: 14°

紫色枠: 図2の範囲

図2は噴火後の2011年1月28日と噴火前の2008年3月28日に観測された画像から、噴煙と思われる箇所を拡大したものです。アブニール・ツーのバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、植生(赤色)と雲域(白色)が明瞭に区別できます。雲が多く識別が困難ですが、黄枠内においては周囲の雲と形状が異なるため、噴煙と考えられます。
図2: 新燃岳付近の噴火の様子(約8km×8kmのエリア)
図2: 新燃岳付近の噴火の様子(約8km×8kmのエリア)

左:災害後(2011年1月28日)、右:災害前(2008年3月28日)

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取得された画像は、気象庁、国土交通省国土技術政策総合研究所へ提供しました。

なお、JAXAでは今後も当該地域を継続して観測する予定です。

*1 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、衛星進行方向に対して東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。なお、災害後の2011年1月28日は、西方向に14度、災害前の2008年3月28日の画像は0度で取得しました。

JAXA EORC