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2010年11月29日掲載


 

カナリア諸島のミニチュア大陸、グラン・カナリア島


 

 グラン・カナリア島は、スペイン領のカナリア諸島にあります。カナリア諸島は、アフリカ北西部のモロッコと西サハラの沖から約100 kmのところにあり、7つの島からなっています。西隣のテネリフェ島を含めたほかの島と同じように火山活動により生成されました。北緯28°付近にある面積約1,500 km2、周囲約200 kmのこの島は、奄美大島と多くの共通点を持っています。多様な景観から「ミニチュアの大陸」と呼ばれています。

グラン・カナリア島の全景
グラン・カナリア島の全景
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図1 グラン・カナリア島の全景

 図1は、ランドサット5号が2010年1月に撮影したグラン・カナリア島の全景です。北東(画像右上)にカナリア諸島自治州の州都であるラス・パルマス市があります。州都は、テネリフェ島にあるサンタ・クルス・デ・テネリフェ市と、4年の任期毎に交互で設置されます。ラス・パルマス市は、人口約38万人でこの諸島で一番人口の多い都市です。
 島の南部(画像下側)はヨーロッパ最大級のリゾート地として知られています。マスパロマスを始めリゾートホテルが建ち並ぶ観光地が続いています。

ラス・パルマス市拡大図
ラス・パルマス市拡大図
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図2 ラス・パルマス市拡大図

 図2は、ALOS(だいち)が2010年9月に撮影したラス・パルマス市の拡大画像です。南部のベゲタ地区は、かつて島の中心地であった面影を残す旧市街です。この一画にコロンブスの家博物館や大聖堂があります。コロンブスの家博物館はコロンブスに関係する資料等を収集しています。かつてはグラン・カナリア島知事の私邸でしたが博物館として改装されました。大聖堂は1500年にセビリアの建築家によって着工されました。1570年に中断しますが、1798年に地元の著名な彫刻家により工事が再開されました。正面はネオクラッシック様式、内部は後期ゴシック様式です。
 ラス・パルマス港は、コロンブスのアメリカ大陸発見への航海の寄港地として有名です。クイーン・エリザベス号などの豪華客船も数多く寄港しています。なお、古くから日本の遠洋マグロ漁船の基地となっています。
 市の北西には約3 kmに渡ってラス・カンテラス海岸が続いています。遊歩道が設置され一年を通してにぎわいを見せています。図から海岸に平行して岩礁があることが分かります。かつてこの岩礁から採石された岩はラス・パルマス市の建築材として多いに役立ちました。

マスパロマスの不思議な図形
マスパロマスの不思議な図形
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図3 マスパロマスの不思議な図形
(Google Earthで見るマスパロマス(kmz形式、4.77 MB低解像度版))

 図3はマスパロマスの拡大画像です。プラヤ・デル・イングレス、プエルト・リコといった観光地が東西に並びますが、マスパロマスは最近新たに開発されたリゾート地です。いろいろな形をした建物群やゴルフ場が幾何学的に並んでいるのが分かります。マスパロマスの南側、灰色の部分には砂丘が広がり、その先が海水浴場になっています。東側のプラヤ・デル・イングレスは島最大のリゾート地です。砂丘の東端に建設された大規模リゾートであることがわかります。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)のアンテナ

 マスパロマスの西、約4 kmにスペイン国立航空宇宙技術研究所(INTA)の地上局があります。ここには宇宙航空研究開発機構(JAXA)のアンテナも設置され、日本の人工衛星の追跡、管制が行われています。千葉や沖縄の他、カナリア諸島に設置した地上局を使って日本の衛星は追跡、管制されています。



観測画像について

観測衛星: ランドサット5号 (米国)
観測センサ: セマティック・マッパー (TM)
観測日時: 2010年1月17日(世界標準時)(図1)
地上分解能: 30 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 図1は、米国地質調査所の画像検索サイト USGS Global Visualization Viewerから無料でダウンロードしたデータを用いました。可視域のバンド3 (630〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)、バンド1 (450〜520ナノメートル)に赤、緑、青色を割り当ててカラー合成したので、肉眼で見たのと同じ色合いとなります。

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)及び
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2010年9月24日11時47分頃(世界標準時間)(AVNIR-2)(図2、3)
2009年11月23日11時52分頃(世界標準時間)(PRISM)(図3)
地上分解能: 10 m(AVNIR-2)および2.5 m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図2、3は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

濃緑:
明るい緑: 草地
茶色: 裸地
青灰色: 市街地
青: 水域
白: 道路、建物、雲
灰色: 砂丘

 PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
 AVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5 mのカラー画像を作成することができます。図3はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

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