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地球が見える

2009年11月11日掲載


 

成田と羽田、首都圏の2大空港


 

 日本の首都圏には、千葉県成田市の成田国際空港(開港当初は新東京国際空港)と東京都大田区の東京国際空港、通称羽田空港があります。
  1978年5月20日開港の成田国際空港は、国際線の需要に応えるため、日本の首都圏に新たに建設された国際空港です。建設予定地の一部が確保できず、開港後30年以上が経過した現在も、拡張工事が続けられています。
 1931年8月25日開港の羽田空港は、国内線主体にもかかわらず、利用者数は世界でも有数の規模です。需要が急激に増加する一方で、羽田空港発着数に制限があり、現在沖合で再拡張工事が進められています。
  ここでは、首都圏の2つの国際空港を宇宙から見てみます。

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図1 成田国際空港とその周辺
(Google Earthで見る成田国際空港(kmz形式、4.54MB低解像度版))

 図1はALOS(だいち)が2009年5月に撮影した成田国際空港とその周辺です。空港西側のA滑走路は、関西国際空港の第2滑走路と並び、日本最長の4,000 m滑走路です。東側のB滑走路は、計画より320 m短い2,180 mの滑走路で使用が開始されました。図の中央、両滑走路に交わるC滑走路は長さ3,200 mで主に横風用滑走路として計画されています。現在、建設工事が凍結されているため、誘導路として利用されています。
 東京都心部から東へ約60 km離れているため、不便な印象を持たれました。現在都心部と空港間は、JRの特急「成田エクスプレス」が53分、京成スカイライナーが51分で結んでいます。また、都心部と空港間を36分で結ぶ新たな高速鉄道の建設が、2010年7月開業に向けて進められています。





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図2 拡張工事の進む成田国際空港

 図2は2007年2月と2009年5月に撮影した空港北部の拡大画像です。B滑走路の北部が拡張されているのが分かります。また南部に誘導路が整備されています。
 2009年10月22日、B滑走路が2,500 m滑走路として利用が始まりました。短い滑走路のときは、主にアジア、オセアニア方面への中小型機が使用してきました。滑走路が2,500 mに延長されると、大型機の発着も可能となり、今まで直行便がなかった中東など、新たな直行便も就航する予定です。発着枠が増えることで、より効率的な運航と安全性の向上が期待されます。

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図3 羽田空港とその周辺
(Google Earthで見る羽田空港(kmz形式、3.96MB低解像度版))

 図3は2009年9月に撮影した羽田空港です。図から、空港の西側と東側に見られる並行に配置された滑走路がA滑走路とC滑走路です。共に3,000 m滑走路で、同時離着陸が可能となっています。北側に見えるB滑走路は、横風用の2,500m滑走路です。
 羽田空港は、国内線の急激な需要の増加が続いたため、1984年1月から従来の空港施設の東方沖を埋め立てて空港を移設、拡張が行われました。埋め立て工事は、脆弱な海底地盤により難航し、計画から完成まで約20年の歳月を要しました。1993年9月に第1旅客ターミナルビル、2004年12月に第2旅客ターミナルビルが運用を開始し、現在の姿となっています。図の中央に2つのターミナルビルが見えています。
 しかし、航空需要の増大は続き、発着能力が限界に達してきたため、羽田空港の再拡張を行うこととなりました。現在、空港の沖合、多摩川河口側で新滑走路(D滑走路)が建設中です。





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図4 再拡張工事が始まった羽田空港

  図4は2008年1月と2009年9月に撮影された羽田空港沖の拡大画像です。羽田空港沖で建設が進んでいるD滑走路は、埋め立てによる人工島と、河口のある多摩川の流れを妨げない桟橋構造を組み合わせた、世界初のハイブリッド滑走路で、全長は2,500 mです。図で、新滑走路右側の茶色い部分が埋め立て地、左側の白い部分が桟橋部分です。この1年半の間に埋め立て工事が急ピッチで進んだことが分かります。なお、この新滑走路は、既存のB滑走路と平行に建設する予定でしたが、飛行コース上に千葉県浦安市街や、東京ディズニーリゾートがあるため、滑走路の方位が7.5度右に変更されました。

滑走路末端の数字

 滑走路の末端には数字が書いてあります。図1の成田国際空港A滑走路では、南側に34L、北側に16Rという数字とアルファベットの文字が見えます。この数字は滑走路の向きを示していて、北から時計回りに数字の10倍の角度の方向に滑走路が向いていることを表しています。ちなみに、LとRは並行した2本の滑走路がある場合に付けられます。A滑走路の34Lは、北から340度の向き、すなわち北北西に向いた左側の滑走路であることを説明しています。
 羽田空港ではどのような数字が記してあるでしょうか? 例えば図4のC滑走路を見てください。南側に34Rが、北側に16Lが見えます。成田国際空港のA、B滑走路と羽田空港のA、C滑走路は同じ方向を向いていることが分かります。
 空港を造るとき、空港周辺に一番よく吹く風の向きが重要です。飛行機は翼に風を流して得る揚力(浮き上がる力)で飛行します。滑走路の方向に風が吹いていると都合が良いのです。関東地方南部では、冬季に北〜北西の風が強く吹きます。このため、両空港とも滑走路の向きが同じになっています。

  なお、「だいち」の衛星画像は、NTTレゾナントグループの「goo地図」などで利用されています。「goo地図」では、画面左上の「航空」ボタンをクリックすると、背景が「だいち」画像に変わります。



観測画像について

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)および
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2009年5月20日01時33分頃(世界標準時)(AVNIR-2、PRISM同時観測) (図1、2)
2007年2月12日01時32分頃(世界標準時)(AVNIR-2、PRISM同時観測) (図2)
2009年9月6日01時33分頃(世界標準時)(AVNIR-2、PRISM同時観測) (図3、4)
2008年1月17日01時36分頃(世界標準時)(AVNIR-2、PRISM同時観測) (図4)
地上分解能: 10 m(AVNIR-2)および2.5 m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

濃緑: 森林
明緑: 草地
明灰色: 市街地
青色: 水域
白: 道路、裸地、建物

 PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
  AVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5mのカラー画像を作成することができます。図はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

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