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2008年7月9日掲載


  返還40周年 小笠原諸島

 
図1 小笠原諸島
(Google Earthで見る東京都小笠原 (kmz形式、2.62MB、低解像度版))
 図1は今年(2008年)6月26日に日本への返還40周年を迎える小笠原諸島です。北側に見えるのが父島列島、南側が母島列島です。小笠原諸島はこれらの島々以外にも聟島(むこじま)列島、火山(硫黄)列島、南鳥島そして沖ノ鳥島など大小30の島があります。父島列島には父島、兄島、弟島など、母島列島には姉島、妹島、姪島など親しみやすい島の名前がついています。
 小笠原諸島は、東京から南東に約1,000km離れ、ハワイ諸島やガラパゴス諸島と同じく火山によってできた海洋島です。小笠原諸島誕生以来、一度も大陸とは陸続きにはなっていません。そのため、小笠原固有の生態系が築かれています。1972年には小笠原諸島の大半が国立公園に指定されました。現在は国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の世界自然遺産への登録に向けた取り組みがなされています。春になるとザトウクジラが回遊し、ホエールウォッチングも楽しめます。
 4,800〜4,500万年前にフィリピン海プレートの下に太平洋プレートが沈み込み始めました。そのときの浅い部分の火山活動でできた島々が聟島列島、父島列島です。火山活動はやがて移動し、より深い地層での火山活動でできたのが母島列島です。さらに太平洋プレートの沈み込みが続き、現在も活動しているのが硫黄島をはじめとした火山(硫黄)列島です。火山(硫黄)列島はこの図の南西側180kmに位置します。
 父島、母島、硫黄島、南鳥島以外は無人島で、小笠原諸島における小笠原村住民は約2,700人です(2005年国勢調査より)。小笠原村は東京都に属しています。

図2 父島列島
 図2は父島(面積24km2)を中心とした父島列島です。南から父島、兄島、弟島、孫島となっています。東京の竹芝桟橋から父島の二見港(ふたみこう)へは25時間30分の船旅で結んでいます。父島の住民のほとんどがこの二見港のある大村地区に住んでおり、民宿やペンションも集中しています。
 父島の北端の宮之浜から長崎、初寝浦(はつねうら)までの海岸は沖に兄島が見える美しい海岸が続いています。海中では、さんご礁や熱帯魚が見えます。父島のほぼ中央にJAXAの追跡所があります。種子島宇宙センターから打ち上げられたロケットが予定通りに飛んでいるかを確認しています。そのすぐ南には中央山(標高319m)があり、周囲が360°見渡せます。晴れた日には聟島、母島も見ることができます。
 西側にはコペペ海岸、小港海岸やジョンビーチなどの白いきれいな砂浜があり、ウミガメが産卵する場所です。野羊山(やぎやま)から扇浦、小港海岸にかけては民宿やペンションが点在しています。
 父島の南西端にある南島は、小笠原の中でも自然の宝庫です。多様な植生に加え海鳥やウミガメの産卵地であり、遊覧ツアーやトレッキングが盛んです。なお、環境保護のため上陸が制限されています。

図3 母島列島
 図3は母島(面積20km2)を中心とした母島列島です。母島の南には姉島、妹島、姪島が並んでいます。父島二見港と母島沖港との間は50km、船で2時間の距離です。
 島の北側にある北港は戦前までは数百人が住んでいました。海中には、さんご礁が広がりアオウミガメが回遊しています。その南にある東港は捕鯨でにぎわっていました。母島の中央には、母島の最高峰乳房山(標高463m)を中心とした山稜が連なり、ハハジマノボタンやワダンノキなどの固有植物の宝庫となっています。頂上から眺める東側の海岸がきれいです。乳房山の猪熊湾寄りには新夕日ヶ丘という夕日の眺めがきれいな丘があります。母島の現在の中心は南部の沖港に面した元地地区(沖村・静沢)です。
 姉島、向島、妹島、姪島では、以前は耕作や放牧、木材の切り出しが行われていましたが、現在は無人となっており、特別天然記念物のメグロをはじめとした貴重な動植物の生息地です。

 小笠原は、その地理的な関係から紆余曲折の歴史がありました。最近では、復帰・復興の時代から発展・充実の時代へと移行しています。文化面でも南洋文化を伝える南洋踊りに加え、フラなどの新しい文化も芽吹き始めています。返還40周年を迎え、各種の記念式典や祭りが企画されていますので、この機会に訪れてみてはいかがでしょうか。



観測画像について:


(図1〜図3、図をクリックすると2 段階で拡大します)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)(図1〜図3)
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)(図2及び図3)
観測日時: 2007年2月14日10時17分頃(日本標準時)(図1、図3、AVNIR-2)
2007年11月17日10時17分頃(日本標準時)(図2、AVNIR-2、PRISM)
2007年11月17日10時17分頃(日本標準時)(図3、PRISM)
地上分解能: 2.5m(PRISM)および10m(AVNIR-2)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
(図1〜図3)
 AVNIR-2は、4つのバンドで地上を観測します。図1〜図3は可視域のバンド3(610〜690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

緑色: 森林
明緑色: 草地、農地
灰色: 市街地、道路
薄茶色: 砂浜
青: 水域
白:

(図2及び図3)
 PRISM は地表を520〜770ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
 AVNIR -2の、バンド1(420〜500ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド3(610〜690ナノメートル)を青、緑、赤色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度 (Intensity)」に変換(HSI 変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5mのカラー画像を作成することができます。
 図2〜図3はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
地球が見える-集いの島 ハワイ、オアフ島
水平線から昇る初日の出スポット
地球が見える 陸地・地形
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