ページの先頭です。
本文へジャンプする。
【重要なお知らせ】このページは過去に公開された情報のアーカイブページです。更新を終了しているため、リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。 最新情報については、新サイト Earth-graphy (earth.jaxa.jp) をご利用ください。
ここからサイト内共通メニューです。
サイト内共通メニューを読み飛ばす。
サイト内共通メニューここまで。
ここから本文です。

地球が見える 2004年

北半球を彩る新緑の波

(図1)植生指数(2003/4/7-4/22) (図2)植生指数(2003/5/25-6/9)
図1、図2ともに解像度1km。

地上の表面の多くは、何らかの植生で覆われています。わずか数センチの草から樹高数十メートルを越える樹木まで、常緑または落葉のものまで様々です。地球観測衛星はしばしば、こうした広域の植生分布を観測し、そこから植生の健康状態などを示す植生指数とよばれるものが得られます。この植生指数の数値が大きいほど、植生活動が高い状態を表します。

図1と図2は、GLIが捉えた植生の状況を植生指数のひとつであるNDVI(*)で表したものです。緑が濃いほど植生指数の高いことを表しています。図1(2003/4/7-4/22)と図2(2003/5/25-6/9)を比較すると、ユーラシア大陸北部や北アメリカで、春から夏にかけて植生が大きく広がりを見せ、大地が緑に染まっていく様子が分かります。

(図3)植生指数(2003/2/7) (図4)植生指数(2003/4/17)
図3、図4ともに解像度250m。

また、図3と図4はより高い解像度でGLIが捉えた紀伊半島の植生の状況を表したものです。緑が濃いほど植生指数が高く、赤が濃いほど植生指数が低いことを表しています。図3(2003/2/7)と図4(2003/4/17)を比較すると、特に琵琶湖の北の山地、琵琶湖周辺、紀伊半島南部で、新緑が広がりを見せていることがわかります。また、大阪・名古屋は季節にかかわらず植生が少ないこともわかります。

衛星データを用いた植生の観測は、目的に応じて解像度や波長の異なるセンサを用いたり、複合利用したりすることが重要であるといえます。みどりⅡ搭載のGLIセンサは、異なる解像度と多くの波長をもつため、広域な植生の変化から局所的な植生の変化まで解析することが出来ます。

GLI 1km NDVIは陸圏の高次標準プロダクトです。

(*)NDVI (正規化植生指数:Normalized Difference Vegetation Index)について NDVIは、地球観測衛星データを使って、簡易な計算でグローバルな植生の状況を把握 することを目的に考案された指標の一つで、植物に含まれる葉緑素が、近赤外域で際立った反射を示すことを利用した比演算による植物抽出の一手法です。観測対象地域の緯度、季節などの観測条件の相違による影響が小さくなるように工夫されています。数式としては、NDVI=(NIR-VIS)/(NIR+VIS)で表され、-1から+1の値をとります。雲や氷では負の値をとり、裸地では0〜0.1、植生が増えるに連れて0.1〜0.7の値をとります。ここでNIRは近赤外域の反射強度、VISは可視域の反射強度です。図1及び図2では、VISとしてGLIのチャンネル13(673〜683nm)、NIRとしてチャンネル19(860〜870nm)を、図3及び図4では、VISとしてGLIのチャンネル22(630〜690nm)、NIRとしてチャンネル23(770〜880nm)を、それぞれ使用しています。
参考文献:日本リモートセンシング研究会編、「リモートセンシング用語辞典」、1989
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
画像:ページTOP