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地球が見える 2003年

周辺の海面水温も高かった、この夏のヨーロッパ


今年8月のトピックス 「ヨーロッパを襲った熱波」 では、AMSR-Eデータによりヨーロッパの陸地の地表面付近の気温が高かったことをお伝えしましたが、GLIではヨーロッパ周辺海域の海面水温も高かったことを捉えていました。

この図は、GLIが捉えたヨーロッパ周辺海域における2003年8月の月平均海面水温から平年値(1971年から2000年までの30年間の平均値)を差し引いた温度を示しています。赤・黄・緑などの色のついた部分が海域を、それ以外の部分が陸地を示しています。全体的に海面水温が高くなっていますが、特にフランスの南部からイタリアに至る地中海一帯で平年値よりも3〜4℃も高くなっていることが分かります。

今年の6月から8月にかけて、ヨーロッパ各地で記録的な猛暑となり、この時期の平均気温としては過去最高の1757年の記録を、およそ250年ぶりに塗り替えるものとなりました。特にフランスでは、例年よりも日中の気温が10℃以上も上がり、15,000名近くの死者を出したと伝えられたのは記憶に新しいところです。ヨーロッパ全体では、19,000名もの人命が失われましたといわれています。

ヨーロッパの熱波は、人命だけでなく経済にも深刻な打撃を与えました。フランス、スペイン、ポルトガル、イタリアなどで、猛烈な暑さと乾燥した空気のために大規模な森林火災が発生し、さらに、異常な水不足のため、農産物や家畜に深刻な被害と記録的な生産減少をもたらしました。これらの被害総額は数十億ドルにも上ると見られています。そうした中で、ワイン産業には多少の恩恵をもたらしそうです。記録的に早く始まったブドウの収穫量は例年よりも非常に少なかったものの、高品質のブドウが収穫されたようで、特に赤ワインの品質はすばらしいものとなりそうです。


観測画像について
観測センサ:グローバルイメージャ(GLI)
観測期間:2003年8月1日〜8月31日
海域については、GLIの観測によって得られた2003年8月の海面水温平均値と、1971〜2000年(30年間)の8月の海面水温平均値(Reynolds and Smith(1995))の差をとった値を示しています。
海面水温は、GLIの日毎の観測データに対して、可視域のチャンネル8(545nm)、19(865nm)で反射率の高い海域や、熱赤外域のチャンネル34(8.6μm)、35(10.8μm)、36(12.0μm)で水蒸気の多い海域を除くことにより雲除去をおこなったのち、熱赤外域のチャンネル34、35、36の観測データから算出されます。

陸域については、GLIの可視域のチャンネル13(678nm)、8(545nm)、5(460nm)の反射率について、一ヶ月分の最小値をそれぞれ赤、緑、青に割り当てて合成したもので、雲がない状態の地表面を宇宙から目で見た様子に近い色づけとなっています。
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
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画像:衛星から見た地球のデータ集
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