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地球が見える 2011年

インド洋に浮かぶ火山島、レユニオン

レユニオン島の全景
レユニオン島の全景
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図1 レユニオン島の全景

 図1は、ALOS(だいち)が2009年12月(画像の右端は10月)に撮影した、アフリカのマダカスカル島の東約700 kmのインド洋上にあるレユニオン島の画像です。東隣り、約200 kmにあるモーリシャス島も同様ですが、ハワイ諸島と同じく地殻の変動によりマグマが吹きあがるホットスポット上に生成された火山島です。
島は中央部の山塊と南東部の山塊とに分かれています。中央部の山の一番高いところ(ピトン・デ・ネージュ山)は、3,069 mありますが、今は活動していません。山を中心にクローバーのようにカルデラが形成されています。南東部にある山(ピトン・ド・ラ・フルネーズ山、通称ル・ヴォルカノ)の高さは、2,631 mで、今も活動しており、定常的な活動監視がされています。ハワイのキラウエア火山と同じようにさらさらとした溶岩であり、海岸に流れ込むためそれほど被害は生じていません。
島の面積は、2,512 km2で、人口はおおよそ82万人です。沖縄本島の面積は、1,205 km2で、人口は約120万人ですので、レユニオン島は、沖縄本島と比較すると面積は2倍ですが、人口は7割程度です。住民は、島の周辺部に住んでいます。県庁のサン・ドニ市は島の北のほうにあります。島の住民は、ヨーロッパ人、アフリカ人、マダガスカル人、インド人、中国人やそれらの混血などです。
レユニオン島は、アラブ人やインド南部のタミル人には知られていたようですが、16世紀初めにポルトガル人が初めてのヨーロッパ人として発見しました。その後フランス人が上陸してフランス領と宣言しました。インドへの中継地としての役割を果たしていましたが、1869年のスエズ運河開通により、その役割は減少しました。レユニオン島は、フランスに属しているため、フランス語が唯一の公用語となっていますが、フランス語から派生したレユニオン・クレオール語が広く使われています。
絶海に浮かぶ高峰という地形条件と熱帯モンスーン気候は、時として過酷な集中豪雨をもたらします。1952年3月には、1日1,870 mmの降雨量を記録しています。これは、24時間で世界一の降雨量となっています。またこの島では、サトウキビの栽培と砂糖の生産が主な産業となっています。島の西部から南部の海岸にかけて美しいビーチが続き、最近では観光も盛んになっています。

 これらの火山や絶壁を対象に2010年には、世界自然遺産に登録されています。

ピトン・デ・ネージュ山のカルデラの拡大図
ピトン・デ・ネージュ山のカルデラの拡大図
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図2 ピトン・デ・ネージュ山のカルデラの拡大図
(Google Earthで見るピトン・デ・ネージュ山(kmz形式、3.88 MB低解像度版))

 図2は、ピトン・デ・ネージュ山のカルデラの拡大図です。画像中央の火口を取り囲むように、3つの大きな谷(マファト谷、シラオス谷、サラジー谷)があります。マファト谷へは交通手段がなくヘリコプターでの観覧が、シラオス谷は鉄分と炭酸の成分が多い温泉が、サラジー谷は数多くの滝が、それぞれ観光の対象となっています。
最も開けているのはシラオス谷です。谷の中央には点々とした明るい模様が見えます。ここがシラオスの町で、このようにカルデラの内部に人が住んでいるのが分かります。

ピトン・ド・ラ・フルネーズ山の拡大図
ピトン・ド・ラ・フルネーズ山の拡大図
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図3 ピトン・ド・ラ・フルネーズ山の拡大図
(Google Earthで見るピトン・ド・ラ・フルネーズ山(kmz形式、3.41 MB低解像度版))

 図3は、現在盛んに活動しているピトン・ド・ラ・フルネーズ山の拡大図です。山頂一帯は溶岩で覆われ、植物がないため灰色や茶褐色に見えています。最近では2010年10月14日に噴火し、溶岩を噴出しています。間近に見られるため、大勢の観光客が訪れていました。

2010年、新たに登録された世界遺産

 国連教育科学文化機関(ユネスコ、UNESCO)は2010年8月、17か所の登録をウェブ上で発表したのに続き、さらに6か所を世界遺産に登録しました。その一つがレユニオン島で、独特の景観と生態系の保存が評価されました。世界遺産の総数は911となり、内、フランスの世界遺産は35です。



参照サイト

観測画像について

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2009年12月14日6時37分頃(世界標準時間)(図1〜3)
2009年10月12日6時35分頃(世界標準時間)(図1)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

濃緑: 森林
明るい緑: 草地、農地
茶色: 裸地
白: 建物、道路、雲
青: 水域
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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