地球が見える 2010年
異例の猛暑で森林火災が続くロシア中西部
図1 2010年7月27日に撮影されたモスクワ周辺の画像
図1は、2010年7月27日にGOSAT(いぶき)が撮影した、モスクワ周辺の画像です。森林(濃い緑色)、草原や耕作地(明るい緑色)が一面に広がっているのがわかります。なお、画像の白い部分は雲です。 図2 2010年7月27日に撮影されたモスクワ周辺の拡大画像
図3 2010年8月2日に撮影されたモスクワ周辺部の拡大画像
図4 2010年8月8日に撮影されたモスクワ周辺部の拡大画像
図2〜4は、7月27日、8月2日および8月8日に撮影されたモスクワ周辺の拡大画像です。緑色の丸印で森林火災が認められます。図2の画像ではニジニノブゴロドの周辺で火災が発生しており、その煙が北西に流れているのがわかります。図で白い部分は雲ですが、うす茶色や黄色の雲の様な部分が火災の煙です。 図5 ニジニノブゴロド南部の森林火災
(Google Earthで見るロシアの森林火災(kmz形式、4.40 MB低解像度版)) 図5はALOS(だいち)が2010年7月28日に撮影したニジニノブゴロド南部の森林火災です。画像周囲の緑色が森林や草原、耕作地ですが、画像中央の黒っぽい部分が火災の発生した地域です。南東部分と南西部分からは煙が上がっています。ここでは、依然として火災が続いていることが分かります。 記録的猛暑は、森林火災だけにとどまらず、過去数十年で最悪の干ばつももたらしています。ロシアのプーチン首相は、猛暑による干ばつ被害の拡大を受けて、小麦を含む穀物と穀物製品の輸出を一時禁止する政令に署名しました。ロシアは世界有数の小麦輸出国です。小麦価格の国際的な上昇が懸念され始めています。 観測画像について![]()
TANSO-CAIは、温室効果ガス測定の誤差要因となる雲やエアロソルの観測を行い、温室効果ガスの観測精度を向上します。
AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図5は、可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなります。 |