地球が見える 2010年
世界最大の鏡の湖、ウユニ塩湖、ボリビア
図1 ウユニ塩湖
図1は、ALOS(だいち)が2010年3月および4月に撮影したボリビア南西部、ウユニ塩湖です(右端の画像のみ2009年5月撮影)。画像中央が白く見えるのは、地表が塩で覆われているからです。標高約3,700 mに位置し、南北約100 km、東西約150 kmにも及ぶこの塩の大地は、富士山山頂に匹敵する高度にあって、四国の半分ほどの面積(約12,000 km2)に及ぶ広大な塩の固まりです。この塩湖の表面はほぼ平らで、雨期(12〜5月)に薄く冠水すると、「天空の鏡」と形容される巨大な鏡が出現し、天地が対称になった幻想的な風景が現れます。 図2 ウユニ塩湖に浮かぶ島々
(Google Earthで見るウユニ塩湖(kmz形式、1.17 MB低解像度版)) 図2はウユニ塩湖に浮かぶ島々です。これらの島は全体が岩礁となっていて、一面サンゴの化石で覆われています。かつてこの地が海であった名残です。スペイン語で「魚の島」を意味するイソラ・デ・ペスカド島と呼ばれ、昔インカの人が植えたと言われる巨大なサボテンが生えています。乾期(6〜11月)には、塩湖一面が塩で覆われ、雪景色と見まがうばかりの景観の中のサボテンは不思議な世界を作ります。 図3 ウユニ市街とその周辺
図3は塩湖の東に位置するウユニ市街です。人口約14,000人で、そのほとんどがインディヘナ(先住民)です。町のはずれ、南西側の線路の終点に向かって、古い列車が廃棄されています。鉄道墓場と呼ばれ、町から離れるほど廃棄車両が古くなってゆきます。最後の列車は100年以上昔のものだそうです。 ![]() アンデスの塩ミネラルが豊富でミネラルバランスが良いことで知られている「アンデスの塩」ですが、赤い塩(岩塩)と白い塩(湖塩)があります。赤い塩はアンデス山脈の標高3,500〜4,500 mで採取されるもので、鉄分が多く含まれています。白い塩はウユニ塩湖の天然塩です。どちらも深層水が隆起し、自然結晶して塩になったものです。 ![]() リチウム資源 自動車産業再生の切り札として、電気自動車やハイブリッド車等の開発に力が注がれています。その電力を蓄えるリチウムイオン電池の生産に必要不可欠な資源がリチウムです。リチウム資源は南米に集中していますが、特にウユニ塩湖は世界のリチウム埋蔵量の半分(およそ550万トン)を占めるといわれています。 観測画像について![]()
AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図1、2はAVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成した画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をバンド4 (760〜890ナノメートル)画像で置き換えて再合成したものです。通常のカラー画像では反射光の強さのため真っ白に写る雪や氷を見やすくすることができます。この画像では、肉眼で見たのと同じ様な色合いとなり、次のように見えています。
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