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地球が見える 2009年

アジアの新空港を宇宙から見る

 アジアでのハブ空港を目指して、マレーシア、香港、韓国、タイの新空港が2000年前後に相次いで開港しました。11月11日に成田国際空港と羽田空港を紹介しましたが、ここでは、この4つの新空港を宇宙から見てみます。

  • クアラルンプール国際空港:1998年6月30日開港。
  • 香港国際空港:        1998年7月6日開港。
  • 仁川国際空港:        2001年3月29日開港。
  • スワンナプーム国際空港: 2006年9月28日開港。

クアラルンプール国際空港(マレーシア)

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図1 クアラルンプール国際空港の拡大図
(Google Earthで見るクアラルンプール国際空港(kmz形式、4.03MB低解像度版))

図1はALOS(だいち)が2009年1月に撮影した、マレーシアのクアラルンプール国際空港です。クアラルンプールの中心部から南へ約50 kmのところにあり、アメリカのデンバー国際空港に次ぐ世界第2の規模の空港です。敷地の総面積は約100 km2で、成田国際空港の10倍の広さです。図には、空港の北東側と南西側に斜め向きの滑走路が2本見えますが、いずれも4,000 m滑走路です。最終的には、5本の滑走路と2つの巨大ターミナルを持つ空港となる予定です。
都心までは、運行時間約30分の鉄道で結ばれています。日本の黒川紀章氏が全体計画の設計に携わり、最新の建築工学と人間工学に基づき設計されました。

香港国際空港(香港)

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図2 香港国際空港の拡大画像
(Google Earthで見る香港国際空港(kmz形式、3.56MB低解像度版))

 図2は2008年11月に撮影した、香港国際空港です。図に見えるようにY字の形をしたターミナルビルが特徴的です。香港の今までの国際空港であった啓徳空港は、香港の中心地から近い九龍半島にありましたが、着陸時には、ビル群の上空をかすめながら進入することから、パイロット泣かせの空港として有名でした。1997年7月1日に香港がイギリスから中国へ返還されることになっていたため、イギリスの香港総督は、1989年に新空港の建設を決定しました。九龍半島の西にあるランタオ島沖の島を削り、埋め立てた新空港が、クアランプール国際空港の開港から1週間遅れの1998年7月に開港しました。開港当初は、コンピュータシステムの故障や操作ミスなどトラブルが発生しましたが、現在では、それも収まっています。
敷地面積は、12.48 km2で、3,800 mの滑走路が2本あります。香港駅との間を約24分でむすぶ高速鉄道が運行されています。

仁川国際空港(韓国)

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図3 仁川国際空港の拡大画像
(Google Earthで見る仁川国際空港(kmz形式、3.92MB低解像度版))

図3は2009年5月に撮影した仁川国際空港です。ソウルから西へ約50 kmのところにあります。仁川市の沖合にある2つの島の間の干潟を埋め立てて建設されました。図の左右両端に島の跡(永宗島(ヨンジョンド)と龍遊島(ヨンユド))が見えています。大型船舶の帆をイメージして設計され、総敷地面積は11.7 km2ですが、さらなる拡張が可能です。図には東側に2本、西側に1本の滑走路が見えます。都心へのアクセスは、リムジンバスで1時間ほどです。鉄道では、金浦空港までの鉄道が2007年3月に開通しており、所要時間は30分程度です。2010年にはソウルまでつながる予定です。
現在、滑走路は東側の2本と西側の1本が使用されています。これと同規模の滑走路が西側に建設される予定で、図には空港の西側に隣接して滑走路用地が確保されているのが分かります。また東側のゴルフ場も将来の滑走路用地とされています。

スワンナプーム国際空港(タイ)

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図4 スワンナプーム国際空港の拡大画像
(Google Earthで見るスワンナプーム国際空港(kmz形式、4.43MB低解像度版))

図4は2006年12月に撮影したスワンナプーム国際空港です。一番最近に開港した空港で、バンコク中心部から東へ約30 kmのところにあります。敷地面積は、32 km2で、成田国際空港の3倍の広さです。図には空港の東側と西側に滑走路が1本ずつ見えていますが、それぞれ4,000 mと3,700 mの滑走路です。計画ではさらに2本の滑走路を建設することになっています。
都心へのアクセスは、バスやタクシーです。現在、空港とバンコク市内を結ぶ鉄道(エアポートリンク)の建設が進められています。2008年内の開業予定でしたが、高架支柱のひび割れや土地収用の遅れなどで工期が大幅にずれ込みました。2009年12月5日(プミポン国王誕生日)から運行を開始する見込みだそうです。

 このように衛星画像により、アジア各国で新たな中核となる空港を建設し、自国の経済発展のインフラ整備を進めていこうという姿や、地域での主導権を獲得しようとする様子がよくわかります。

 なお、「だいち」の衛星画像は、(株)日本航空の「JAL MAP」などの地図の背景としても使われております。「JAL MAP」では、画面右上の「衛星写真」ボタンをクリックすると、背景が「だいち」画像に変わります。



観測画像について

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)および
パンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2009年1月22日03時45分頃(世界標準時)(AVNIR-2、PRISM同時観測) (図1)
2008年11月12日03時07分頃(世界標準時)(AVNIR-2、PRISM同時観測) (図2)
2009年5月19日02時31分頃(世界標準時)(AVNIR-2)(図3)
2009年2月16日02時30分頃(世界標準時)(PRISM)(図3)
2006年12月12日03時55分頃(世界標準時)(AVNIR-2)(図4)
2007年10月30日03時55分頃(世界標準時)(PRISM)(図4)
地上分解能: 10 m(AVNIR-2)および2.5 m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

濃緑: 森林
明緑: 農地、草地
明灰色: 市街地
青色: 水域
白: 道路、裸地、建物

 PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。
AVNIR-2の、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当てカラー合成したAVNIR-2画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5mのカラー画像を作成することができます。図はこのように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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