地球が見える 2009年
百塔の都−プラハ
図1 プラハ周辺
図1は「だいち」(ALOS)が2007年6月および2008年5月に撮影したチェコ共和国の首都プラハの周辺です。チェコの作曲家スメタナ(1824-1884)が連作交響詩「わが祖国」で詠ったヴルタヴァ川(ドイツ語名はモルダウ川)が画像の中央を下(南)から上(北)へ流れ、ラベ川(エルベ川)と合流します。ヴルタヴァ川が大きく蛇行した下辺にプラハが位置しています。画像右上のモザイク状の畑から分かるように、プラハの周りは穀倉地帯となっています。画像左の方、プラハから約10 kmにプラハ・ルズィニェ国際空港の一部が見えています。 図2 プラハ中心部
(Google Earthで見るプラハ(kmz形式、3.12MB、低解像度版))
図2は、プラハ中心部の拡大画像です。中央付近にカレル橋が見えています。プラハはヴルタヴァ川の東西両岸に発達した町です。カレル橋を渡った東岸には、中世の町並みを今に残す旧市街、プラハ随一の繁華街のある新市街、かつてユダヤ人ゲットー(ユダヤ教徒が住むことを許された一定の地区)だったユダヤ人地区があります。旧市街の中央には天文時計で有名な旧市庁舎があります。新市街にはチェコ近代史「プラハの春」、「ビロード革命」の重要な舞台となったヴァーツラフ広場があります。画像の右端には国際列車の発着するプラハ本駅が見えます。 ![]() カレル橋
現存するプラハ最古の橋であるカレル橋は、全長約520 m、幅約10 mの石橋で、欄干にある30体の聖人像が特徴的です。12世紀初め、ヴルタヴァ川最初の橋として、木造の橋が架けられましたが、12世紀半ばの洪水で流されてしまいます。次の橋は石橋で、交通の要衝としておおいに利用されましたが、これも1342年の洪水で流されてしまいます。現在の橋は1357年に着工し60年近くかけて完成されたものです。600年近く健在で、幾度の洪水にも耐えています。 ![]() プラハ城プラハ城は、現在チェコ共和国の大統領府となっていますが、長さは約570 m、平均の幅は約130 mで、ギネスブックによると世界最古で最も大きな城の一つです。 9世紀半ばに建築が始まり、14世紀のカレル4世の治世に現在の偉容がほぼ整えられました。城壁の中には旧王宮、教会、修道院などが建ち、一部は博物館や美術館に利用されています。2本の尖塔を持つ聖ヴィート大聖堂は1420年に今ある形に建築されましたが、その後も手を加えられ、最終的な完成は20世紀に入ってからでした。地下にはカレル4世をはじめとして、代々の王が眠っています。 観測画像について![]()
AVNIR-2 は、4つのバンドで地上を観測します。図は、いずれも可視域のバンド3(610 〜 690ナノメートル)、バンド2(520〜600 ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。
PRISMは地表を520〜770 ナノメートル(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行いますが、ここでは直下視の画像を使っています。 |