地球が見える 2008年
「きぼう」が飛び立つケネディ宇宙センター
米国航空宇宙局(NASA)ケネディ宇宙センターは、米国フロリダ州のフロリダ半島中央部の東海岸にあり、フロリダ州で最も発着便が多いオーランド国際空港から80kmほど東に位置します。 ケネディ宇宙センターは、大きな砂州の中、礁湖(しょうこ)、インディアン川とバナナ川に挟まれたメリット島にあります。バナナ川の東側の三角形の形をした岬はケープ・カナベラル空軍基地です。岬の中にはマーキュリー計画やジェミニ計画などの有人宇宙船を打上げたアトラスロケットやタイタンロケットなどの発射台が大西洋の海岸沿いに数多く見えています。現在も無人ロケットの発射場として使用されています。 その南にはカナベラル港が見えています。南大西洋とカリブ海諸島を巡る周遊旅行用の大型クルーズ船が寄港する港です。 そこからビーチ・リゾートであるココア・ビーチ市、メルボルン市へと細長く走る砂州が続いています。フロリダ州最大の都市マイアミはメルボルン市から南へ280kmほど離れています。 ケネディ宇宙センターの近辺は、湿地帯であり、敷地の大部分は安全・環境保全のため立ち入りが禁止され、大型猛禽類やワニが生息する野生動物保護区域となっています。
発射台には連番の数字が割り振られており、その他の多くの発射台はケープ・カナベラル空軍基地にあります。 今回の1Jミッションで使用されるスペースシャトルの発射台は図右端の39A発射台です。1981年4月12日のコロンビア号(STS-1)の初打上にも使用されました。図中央左には北西から南東に走る滑走路が灰色に見えています。長さ4,572m、幅91mと一般の空港の滑走路の2倍ほどの広さを持つシャトル着陸施設です。滑走路の両端にはそれぞれ305mの舗装されたオーバーラン部分もあります。 シャトル着陸施設と発射台の間にはシャトル組立棟、打上管制センター、オービタ整備施設が見えます。シャトル組立棟は高さ160m、幅160m、奥行き220mの世界最大級の建物です。ここで組み立てられたスペースシャトルは、高さ6m、幅35m×40m、自重2,700トンの巨大なトレーラ(クローラートランスポーター)の上に垂直に立てられたまま載せられ、時速1.6kmでゆっくりと6km離れた39A発射台または39B発射台へと運ばれます。打上管制センターは4階建ての建物で、39番射場設備における電子頭脳にあたります。スペースシャトルは着陸後、シャトル組立棟の西側に位置するオービタ整備施設へ移動します。そして、残余燃料や前ミッション機器などを取り除いたあと、精密なチェック・テストを行い、次回のミッションに備えます。 日本のスペースシャトル利用は、1983年の粒子加速装置を用いた宇宙科学実験(SEPAC)から始まり、1992年には毛利衛宇宙飛行士がスペースシャトルに搭乗しました。その後、向井千秋、若田光一、土井隆雄、野口聡一宇宙飛行士の5人が搭乗しています。さらに今回の星出彰彦宇宙飛行士、そして古川聡、山崎直子宇宙飛行士の3人が加わります。 「きぼう」は、3回のスペースシャトル・ミッションに分けて打ち上げられ、国際宇宙ステーション(ISS)に取り付けられます。「きぼう」の本格的な利用は目前にせまっています。
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