地球が見える 2007年
平和記念都市、広島
元安川を挟んで原爆ドームの対岸に見える緑地が平和記念公園です。世界の恒久平和への願いを込めて造られた公園には、2006年に重要文化財に指定された広島平和記念資料館があります。右側の東館には被爆前後の「広島のあゆみ」が写真や模型で紹介され、左側の本館では被爆の惨状を伝える数々の資料が展示されています。公園中央部に見える「平和の池」の淵に建立されているのが、日本古来の「はにわ」の家形を模した原爆死没者慰霊碑です。これらの建造物は世界的に著名な建築家丹下健三氏によって設計されました。慰霊碑の前に立って正面を眺めると、三角屋根の中に華やいだ街から切り離され静かに佇む「原爆ドーム」が見えます。 広島市は観光客数1,000万人を誇る観光都市です。市内を走る路面電車は街の風景の一部として溶け込み、城下町としての歴史の重みを感じさせます。広島随一の繁華街を通る相生通りを挟んで平和記念公園の反対側に拡がる緑地も見所の多い観光スポットです。そこには「赤ヘル」の愛称で知られる市民球団「広島東洋カープ」の本拠地である広島市民球場や、戦国時代に毛利輝元(毛利元就の孫)が築いた広島城を廻る掘割、江戸時代に作庭され国の名勝に指定された縮景園の回遊式庭園が見事な造作を見せています。緑ゆたかな平和記念公園一帯は、世界中から訪れる人々の心を和ませる場となり、四季折々の花を楽しむ市民の憩いの場となっています。広島は、平和記念都市「ヒロシマ」として全世界の核兵器廃絶運動の原点となっています。
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