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地球が見える 2007年

漢江の流れとともに ソウル、大韓民国

図1 ソウル周辺
図1は、2007年4月に捉えたソウル周辺の画像です。大韓民国の首都・ソウルは、東方約140 km離れたテベク山脈に源を発するハンガン(漢江)が、朝鮮半島の険しい山あいを抜け、ちょうどその流れをゆるめた両岸に発展した都市です。「山河に抱かれた歴史の都」、衛星画像を見ると、そのようなソウルの姿が浮かび上がってきます。画像下半分の中央付近、明るい灰色に見えている部分がソウル市街地 です。周囲を山岳丘陵に囲まれた盆地地帯に発展し、風水上理想的な立地であるといわれます。図でひときわ目につく大河がハンガンで市街の中心部を東から西に流れています。ソウル市街地でのハンガンの川幅は約1キロメートルを超え、その流路の大きさがうかがえます。
ソウル中心部の西約30キロメートルのところには、キムポ(金浦)国際空港があります。衛星画像をよく見ると、キムポ国際空港の滑走路は、南東—北西方向に配置されていることがわかります。日本各地の空港にも南東—北西方向の滑走路は多くあります。日本と同様、冬に北西の季節風が吹く朝鮮半島では、このような滑走路の配置が好都合であったのでしょう。
なお、国際線は2001年にソウル西方約50 km離れたインチョン(仁川)国際空港(図1には含まれていません)に移動したため羽田〜金浦線を残し国内線専用の空港となりました。

図2 ソウル中心付近の拡大図
(Google Earthで見るソウル (kmz形式、2.32MB、低解像度版))
図2はソウル中心付近の拡大図です。ソウル市街が、ハンガンにかかるいくつもの橋でつながっていることがわかります。ソウルはハンガンを境に北側の「カンブッ(江北)」旧市街と南側の「カンナム(江南)」新興地域に分かれます。図2中央に緑色に見える小高い丘は、ソウルのシンボル、Nソウルタワーがあるナムサン(南山)公園です。その西側には2004年のKTX(韓国高速鉄道)開業を機に一新されたソウル駅があります。また北側は日本からの観光客に人気が高いエリアで、ソウル中心部の繁華街ミョンドン(明洞)、朝鮮王朝時代の都の正門ナンデムン(南大門)、四大門の一つトンデムン(東大門)があります。ミョンドンの北側からトンデムンのところにかけて東西方向の筋が見えますが、これはチョンゲチョン(清渓川)です。チョンゲチョンは1950年代後半から暗渠(あんきょ)化され、1960年代後半から高架道路が建設されて、韓国の経済成長を支えましたが、2000年ころには老朽化が問題となりました。2002年のソウル市長選挙を契機として2003年7月から2005年9月まで高架道路の撤去と川の復元の工事が行われ、いまでは市民の憩いの場となっています。
また川の南側には、国会議事堂や放送局が集まるオフィス街・ヨイド(汝矣)島、東京ドームの2倍の広さで世界最大級の屋内遊園地ロッテワールドがあるチャムシル(蚕室)などが画像から確認できます。
ソウル市街地をつくる建物の形状で特徴的なことの一つに、規則的に並んだ長方形の建造物群が、中心地からそう遠くない場所に数多く存在するということです。これらの多くは市民が生活する高層アパート団地です。
漢江の南岸・カンナムの巨大なアパート街はその代表例です。
画像が撮影されたのは4月下旬。寒さが厳しく乾燥した冬のソウルを過ごした植物たちが一斉に芽生え始めると、あたかも大都市に浮かぶ島のように、衛星画像に鮮明な緑のエリアが浮かび上がります。



観測画像について:
(図1及び図2、図をクリックすると二段階で拡大します)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2007年4月27日02時27分頃(世界標準時)
地上分解能: 10m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
  AVNIR-2 は、4 つのバンドで地上を観測します。図1 及び図2 は、いずれも可視域のバンド3 (610 〜 690 ナノメートル)、バンド2(520 〜 600 ナノメートル)とバンド1 (420 〜500 ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。 図は通常と異なって、緑にバンド2 の値× 90%とバンド4 の値× 10%の和を割り当てるという工夫をしたので、植生の分布が見やすくなっています。

暗緑色: 森林
明緑色: 草地、農地
青っぽい灰色: 市街地、道路
白っぽい茶色: 裸地、建物
青: 水域

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
集中豪雨がもたらした朝鮮半島の水害
地球が見える 陸地・地形
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画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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