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地球が見える 2007年

人類初の人工衛星を打ち上げたバイコヌール宇宙センター

図1 バイコヌール宇宙センター周辺の画像
今からちょうど50年前の1957年、人類初の人工衛星スプートニク1号がバイコヌール宇宙センターから打ち上げられました。それ以来、同宇宙センターは米国と旧ソ連との宇宙開発競争の舞台となり、今なお、人類のフロンティアを宇宙へと発展させ続けています。
図1は2006年9月のバイコヌール宇宙センターの画像です。灰色に映る重い粘土層と褐色の砂地で覆われ、白く見える塩湖が散在し、中央アジアの見渡す限りの半乾燥地が広がっています。画像の南を西に流れるシルダリア川は天山山脈に源を発し、カザフスタンを北西ないし西に進んで、アラル海に注ぎ込みます。右岸を川沿いに走る鉄道の駅を中心に、生活と文化の町バイコヌール(旧称レニンスクを1995年に改名)が黒く見えます。
バイコヌールから鉄道が北に伸び、左右に分岐してバイコヌール宇宙センターへと続きます。バイコヌールを南端に、ユビレイニ空港を北端にして広がる宇宙センターは、バイコヌールから北30 kmのところのコロリョフ地区、北西70 kmのところのチェロメイ地区、北東50 kmのところのヤンゲル地区の3つの地区から成ります。チェロメイ地区には、国際宇宙ステーションのいくつかのモジュールを打ち上げたプロトン・ロケットや中型のツィクロン・ロケットの射場があります。コロリョフ地区にはソユーズ・ロケットの試験用の射場などが、ヤンゲル地区には、ソユーズ・ロケットの運用段階の射場やゼニット・ロケットの射場、ドニエプル・ロケットの射場があります。
所在地は、モスクワから南東に約2,100 km、アラル海の東に位置するカザフスタン共和国チュラタムです。年間の平均気温は13℃ですが、夏は乾燥して気温が45℃まで上がる高温で、冬は降霜・強風・少雨を特徴として気温が−40℃まで下がる大陸性気候の厳しい風土にあります。
宇宙センターの総面積は約5,000 km2で千葉県とほぼ同じ広さで、打上げ施設9箇所、発射台15基などがあります。1991年にカザフスタン共和国が独立した後も、ロシア連邦宇宙局(FSA)が使用権を持ち管理しています。

図2 バイコヌール宇宙センター中央部の拡大画像
(Google Earthで見るバイコヌール (kmz形式、1.46MB、低解像度版))
図2は宇宙センター中央部の拡大画像で、南から西にいくつかの施設とこれらを結ぶ鉄道が見られます。南には二股に別れてカーブした鉄道があり、その南側の線路の先端に1955年の宇宙センター建設着工当時に建設されたサイト1の発射台やサイト2の組立棟からなるソユーズ・ロケットの打上げ施設があります。1957年10月4日には、人類初の人工衛星、スプートニク1号が同発射台から打ち上げられました。さらに1961年4月12日にはガガーリン宇宙飛行士が乗るヴォストーク1号がやはりサイト1から打ち上げられ、人類初の有人宇宙飛行を成し遂げました。
その後、宇宙センターは拡張され、月探査機、気象衛星、軍事衛星、民間通信衛星、有人宇宙船などが数多く打ち上げられました。1990年12月2日には株式会社東京放送(TBS)の宇宙特派員として秋山豊寛氏が宇宙船ソユーズTM-11に搭乗してソユーズ・ロケットで、また2005年8月24日にはJAXAの光衛星間通信実験衛星「きらり」(OICETS)および小型科学衛星「れいめい」(INDEX)の2機が相乗りでドニエプル・ロケットで打ち上げられました。
図2の西に一際目立つ2基の施設は、100トンの積荷を低軌道に投入できる超大型ロケット、エネルギア打上げ用の発射台、サイト110です。その南側には、サイト112、112Aのエネルギア組立試験、燃料補給施設、サイト113、118などの関係者の居住施設、倉庫などが集中しています。1988年11月15日、エネルギアは無人の再使用型宇宙往還機ブランを、サイト110左側の発射台から打ち上げ、地球を2周した後ブランはユビレイニ空港に自動着陸しました。
人類の活動の限界を広げる果敢なチャレンジを実現するため、地球と宇宙を結ぶ宇宙輸送の要衝として、今後一層の発展が期待されます。



関連サイト:
Encyclopedia Astronautica, Baikonur (英語)
RussianSpaceWeb.com, CENTERS: Baikonur (英語)

観測画像について:
(図1および図2)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)及びパンクロマチック立体視センサ(PRISM)
観測日時: 2006年9月1日06時49分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m (AVNIR-2)、2.5 m(PRISM)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2は、衛星進行方向に直交する方向に観測領域を変更するポインティング機能を持っていて、4つのバンドで地上を観測します。図1はこのうち、バンド1 (420〜500ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド3 (610〜690ナノメートル)を青、緑、赤色に割り当ててカラー合成したもので、肉眼で見たのと同じような色合いとなり、次のように見えています。

赤茶色: 砂地
青っぽい灰色: 粘土層
黒っぽい青色: 市街地、道路
白: 塩湖
黒: 水面
PRISMは地表を520〜770 ナノメータ(10億分の1メートル)の可視域から近赤外域の1バンドで観測する光学センサです。得られる画像は白黒画像です。前方、直下、後方の観測を同時に行います。
AVNIR-2の、バンド1 (420〜500ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド3 (610〜690ナノメートル)を青、緑、赤色に割り当てカラー合成した画像を「色相(Hue)」、「彩度(Saturation)」、「明度(Intensity)」に変換(HSI変換)し、明度をPRISM画像(ここでは直下視の画像を使っています)で置き換えて再合成することで見かけ上、地上分解能2.5mのカラー画像を作成することができます。 このため、得られた画像の色合いは元のAVNIR-2画像と同じになります。
図2は、このように高分解能の白黒画像と低分解能のカラー画像を組み合わせて合成された高分解能のカラー画像、つまりパンシャープン画像です。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が観測した種子島
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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