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地球が見える 2006年

二つの森と環状道路に囲まれた芸術の都:パリ

図1  パリとその周辺
(Google Earthで見るパリ(kmz形式、1.35MB、低解像度版))
図1は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2006年9月に捉えたフランスの首都、パリ周辺の画像です。図中央の灰色のところがパリ中心部で、セーヌ川が図右下からパリ中心部を貫いて、大きく蛇行しながら図左へ流れています。パリ郊外には、深緑色の森林と緑色や薄茶色の畑地や草地が広がっていることが分かります。図右上には巨大なシャルル・ド・ゴール空港が、図右にはディズニーランド・リゾート・パリが、図下にはオルリー空港が、図左にはヴェルサイユが見えています。

図2  パリの拡大図
図2はパリの拡大図です。図右下から図中央に向かってセーヌ川が流れ、その後大きく蛇行しています。図左には深緑色のブローニュの森が、右下にはヴァンセンヌの森が見えています。これらの森に接して、パリ市を取り囲む、短径9 km、長径11 kmの環状の高速道路ぺリフェリックが見えています。大部分で二重に見えていますが、外側が高速道路で、内側は一般道です。パリの都心部では建物の高さが数階建てに一様に制限されているので、道路が黒い筋としてよく見えています。また、深緑色の公園や墓地が点在していることが分かります。

環状道路の内側には数多くの名所旧跡があります。図中央のルーブル美術館は12世紀末に造られた城砦を元に16世紀から19世紀にかけて改築された壮大な宮殿で、フランス革命後の1793年以来、公開されています。その右下のセーヌ川の中洲、シテ島には二つの尖塔(西側の方がやや高く、その高さは69 m)を持ち、14世紀半ばに完成したノートルダム寺院が見えます。

ルーブル美術館の西北西にはシャンゼリゼ大通りを含む数本の大通りが放射状に延びるエトワール広場があり、そこには、1805年にドイツ、オーストリア、ロシア、イタリアの連合軍をフランス軍が打ち破ったのを記念してナポレオン(1769〜1821年)が建設を命じた凱旋門があります。凱旋門の南にはフランス革命100周年を記念して開かれた1889年のパリ万博に合わせて建設されたエッフェル塔(現在の高さは324 m)が見えます。

ルーブル美術館やノートルダム寺院、凱旋門、エッフェル塔などを含む「パリのセーヌ河岸 (英語)」は1991年に国際連合教育科学文化機関(UNESCO)の世界文化遺産リストに追加されました。

ルーブル美術館の北にはナポレオン3世(1808〜1873年)の命により1875年に完成したオペラ座と、モンマルトルの丘に建ち、市内からよく見えるサクレ・クール寺院が、東には1977年に開館し、国立近代美術館を含むポンピドゥ芸術文化センターが、南には高さ209 m、59階建てで、1972年に完成したモンパルナス・タワーが見えます。

パリには各方面とパリを結ぶ六つのターミナル駅があります。ルーブル美術館の北東には、印象派の画家モネが描いたサン・ラザール駅があり、そこから時計回りに、ロンドン行きのユーロスターが発着する北(ノルド)駅、オリエント急行が発着する東駅、TGVや南フランスに向かう列車が発着するリヨン駅、スペインに向かう夜行列車が発着するオーステルリッツ駅、モンパルナス・タワーの南の、TGVが発着するモンパルナス駅があります。

フランス革命から200周年に当たる1989年に向けて、パリでは再開発計画「グラン・プロジェ」が行われましたが、その一環として整備された科学産業都市ラ・ヴィレットが図右上に、図左の郊外にはシャンゼリゼ大通りの延長線上に建てられたグランド・アルシュ(大アーチ)を含む高層ビル群が目立つラ・デファンスが見えています。

図上には1998年のワールドカップ・サッカー・フランス大会の主会場として建設され、8万人の観客を収容できるスタッド・ド・フランスが見えます。ブローニュの森の南西の部分に、毎年10月の第1日曜日に凱旋門賞のレースが行われるロンシャン競馬場が見えます。ブローニュの森の南にはフランスのプロ・サッカー・リーグ、リーグ・アンに属するパリ・サン=ジェルマンの本拠地で、4.8万人余りを収容可能なパルク・デ・プランスが見えます。図下には、2万人を収容でき、多目的のスタッド・シャルレティが見えます。

図3 ヴェルサイユの拡大図
図3はヴェルサイユの拡大図です。図中央にヴェルサイユ宮殿が明るく見えており、その西に庭園が広がり、さらにその先に森林に囲まれた十字型の運河が緑色に見えています。宮殿の東には放射状に伸びる三本の大通りの並木が深緑色の筋になって見えています。ヴェルサイユ宮殿の元はルイ13世(1601〜1643年)の命によって17世紀前半に建てられた狩猟用の城で、17世紀後半から18世紀初めにかけて、ルイ14世(太陽王、1638〜1715年)の命によって大々的な拡張工事が行われて絢爛豪華な宮殿となり、ルイ14世からルイ16世(1754〜 1793年)までの居城として使われ、フランス革命(1789年)が起こるまで、およそ100年間にわたって、フランスの行政の中心となりました。「ヴェルサイユの宮殿と庭園 (英語)」は1979年に世界文化遺産リストに追加されました。

図4 シャルル・ド・ゴール空港の拡大図
図4は1974年3月に開港したシャルル・ド・ゴール空港の拡大図です。図中央のみかんを輪切りにしたように見える建物がド・ゴール1 (ターミナル1)で、その右下の長方形の建物がド・ゴール2 (ターミナル2)です。これらのターミナルの北側と南側に滑走路や誘導路が見えています。空港の周りには畑地が広がっています。

図5 ディズニーランド・リゾート・パリの拡大図
図5はディズニーランド・リゾート・パリの拡大図です。1992年に開園したディズニーランド・リゾート・パリ(当初、ユーロディズニーランドと呼称)はパリの東の郊外にあります。直径およそ3.2 kmの環状道路が見え、主な施設がその円内の北側にあること、円の南東側にゴルフ場があることが分かります。



観測画像について:
(図1〜図5)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年9月11日10時20分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
ポインティング角: -41.50°
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
 AVNIR-2は、衛星の進行方向と直交する方向に観測領域を変更することのできるポインティング機能を持っていて、 4つのバンドで地上を観測します。このうち、バンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当ててカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じような色合いとなり、次のように見えています。

深緑色: 森林
緑色、薄茶色: 草地、畑地
灰色: 市街地
黒: 道路
赤、青、白など: 建物の屋根
緑、濃紺: 水面(川、運河)

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
壁で分断された都市:ベルリン(その2)
霧のない晴れ上がった都、ロンドン
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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