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地球が見える 2006年

スイスのシンボル:マッターホルン

図1 マッターホルン周辺
(Google Earthで見るマッターホルン (kmz形式、4.55MB、低解像度版))
全体画像
図1は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2006年7月に捉えたスイスのシンボル、マッターホルンとその周辺です。画像中央から北に延びる谷はマッター谷です。この谷を取り囲む山々は雪と氷で覆われ白く映っています。画像南側はイタリアとの国境を画するヴァリス(ヴァレー)・アルプスです。マッターホルン(標高4,478m)やスイス最高峰モンテローザ(標高4,634m、アルプスではモンブランに次ぐ高峰)をはじめとする4,000m級の名峰が並んでいます。またいくつもの雄大な氷河が流れ出ていることが見て取れます。
マッターホルン北東の麓にはスイスでも一、二を争う山岳リゾート、ツェルマットがあります。ここツェルマットでは自然を守るため燃焼エンジン車を規制するなど細かな配慮がなされています。村内の主な交通機関は馬車、電気自動車、電気バス等です。ツェルマットの歴史とヴァレー・アルプス登頂記録を集めた山岳博物館(Alpines Museum)がここにあります。
ツェルマットからは登山鉄道(地下ではなく、地上に敷設された登山鉄道としてはヨーロッパで一番高いところまで上ります)やゴンドラ(ヨーロッパで一番高い地点に達します)によりヴァレー・アルプスを見晴らすいくつもの展望台に行くことができます。また、ツェルマットを発着する氷河急行は、約8時間でおよそ270 km走り、スイス東部のサンモリッツとの間を結びます。
図2 氷河の変動
アルプスの地形を造っている氷河は1年に数十cmの速度で流れていますが、その先端は近年、地球温暖化の影響で1年に20 m のペースで後退していると言われています。マッターホルン周辺の氷河はどうでしょうか。1993年8月に地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)搭載の可視近赤外放射計(VNIR)が捉えた画像と比較してみると、図の矢印のところで氷河の末端が先細り、この13年間で200〜700 m後退したことが分かります。これは、1年間に平均15〜54 mものペースで氷河が後退したことを意味します。



観測画像について:
(図1、図2右および全体画像)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年7月20日10時30分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は4 つのバンドで地上を観測します。図1、図2右および全体図は、バンド3(610〜690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成したので、肉眼で見たのと同じような色合いになります。雪や氷は白または薄灰色に、市街地は薄い灰色に、森林は濃い緑色に、草地は黄緑色に、氷河湖は明るい水色に見えます。黒はデータがないことを示しています。

(図2左)
観測衛星: 地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)
観測センサ: 可視近赤外放射計(VNIR)
観測日時: 1993年8月11日10時38分頃(世界標準時)
地上分解能: 18.3 m×24.2 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
通常は可視域のバンド2(630〜690ナノメートル)、近赤外域のバンド3(760〜860ナノメートル)、可視域のバンド1(520〜600ナノメートル)の各バンドに赤、緑、青色を割り当てますが、ここでは通常と異なって、緑にバンド2の値×80%とバンド3の値×20%の和を割り当てるという工夫をしたので、肉眼で見たのとほぼ同じ色合いの画像となっています。雪や氷は白または薄紫色に、市街地は薄い灰色に、森林は濃い緑色に、草地は黄緑色に見えます。

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
後退するフェドチェンコ氷河
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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