地球が見える 2006年
開拓から観光へ:北海道、札幌
図の左上は日本海につながる石狩湾で、右上から流れてきた石狩川が濁った水を注いでいます。図の左下には雪が残る山々があり、隅には、丸い火口を中心に頂上部の白い雪とその周りの深緑の森林が同心円状になった羊蹄山が見えています。図下には、鼓の形をした支笏湖が見えています。支笏湖のくびれを作っているのは、北側の恵庭岳(えにわだけ)と南側の風不死岳(ふっぷしだけ)及び樽前山(たるまえざん)です。支笏湖の東側には新千歳空港と苫小牧港が見えています。 図中央の灰色のところが札幌の市街地です。左上には小樽の市街地と手稲山(ていねやま)が見えています。北西の季節風を避けるため、手稲山の陰となる東側の平地で約140年前に街作りが始まりました。札幌の周りには、そのベッドタウンである石狩市、江別市、北広島市、恵庭市の市街地が北から時計回りに灰色に見えています。図右上には岩見沢市の市街地も見えています。石狩川の両側と北広島および恵庭の東側には広大な水田地帯が広がっていますが、黄土色に見えているので、田植え前で、まだ水が張られていないことが分かります。
左下には藻岩山(もいわやま)の原生林を含む濃い緑色の森林が見えます。大通公園の西の延長線上にはオレンジ色のトラックが鮮やかな札幌市円山競技場が見えています。その左には、大倉山ジャンプ競技場が、左下には宮の森ジャンプ競技場が見えます。いずれも1972年の冬季オリンピックでは、ジャンプ競技が行われ、宮の森ジャンプ競技場では70m級(現在のノーマルヒル)ジャンプで、笠谷幸生(かさやゆきお)を始めとする日本の3選手が金銀銅のメダルを独占しました。 図下には、やはり札幌オリンピックの会場となった真駒内アイスアリーナと真駒内オープンスタジアムが見えています。 右下には、白い繭(まゆ)のように見える札幌ドームがあります。札幌ドームは2001年に開場し、Jリーグのコンサドーレ札幌の本拠地およびプロ野球パシフィック・リーグの北海道日本ハムファイターズの本拠地(2004年から)として使用されています。札幌ドームがある長方形の緑地は羊ヶ丘で、農林水産省 横浜植物防疫所 札幌支所、独立行政法人 森林総合研究所 北海道支所、北海道石狩家畜保健衛生所などの研究機関がここにあります。 札幌の街作りが始まったのは、1869年(明治2年)、明治政府が北方開拓のために省庁の一つである開拓使を設置してからのことです。2005年3月末現在の北海道の人口は563万人、札幌市の人口は186万人となっています。また、1972年の札幌オリンピックをきっかけに、北海道の交通インフラの整備が進み、観光産業が盛んになりました。ここ数年の道外からの観光客は630万人前後で推移していますが、そのうち台湾、中国、韓国を中心とした外国からの観光客は2001年度の24万人から2005年度の51万人に大きく増えたとのことです。
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