地球が見える 2004年
宇宙から見たゴールデンウィークの日本列島
図1は、昨年(2003年)5月3日にみどりIIが捉えた日本列島の画像です。東北地方南部まで新緑の境界が上がってきていることがわかります。また、日本アルプスなどの標高の高い山岳地域はまだ茶色を呈していることから、標高や緯度によって新緑を迎える時期が異なることがわかります。 みどりIIは日本のみならず、世界中の植生を観測しました。図2は、2003年4月から10月までの1ヵ月毎の植生指数を並べた図です。植生指数は植生の量や健康状態を表す指標で、数値が大きい程、植生が多く繁茂していたり、植生が元気であることを意味しています。図2を見ると、4月から6月にかけてユーラシア大陸北部や北アメリカで植生が大きく広がりを見せ、7月から8月には植生の活動がもっとも活発になって大地が緑に染まっている様子がわかります。
図1や図2で捉えられている陸上の植物から人類はこれまで非常に多くの恩恵を受けて来ました。陸上の植物は酸素を供給したり、そのまま人類の食料になったり、家畜の飼料になったり、水を蓄え安定した気候をつくったりします。もし植物がこの地球上から無くなってしまったら、人類は生き延びていく事はできません。ですから、地球観測衛星を使って植物の様子などの地球環境を継続的にしかもグローバルに監視することで、自然が人類へ発している警告にいち早く気づくことが大事なのです。 関連サイト: ・みどりIIがとらえた、新緑の日本列島 ・北半球を彩る新緑の波
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