AMSRシリーズが捉えた全球海面水温の変動
(2026年3月分データ更新)
2002年に始まったAMSRシリーズ観測は、AMSR-EとAMSR2の間に約9か月間のギャップがあるものの、これまで20年以上にわたって地球の水循環変動を見守り続けてきました。この観測を最新機AMSR3(2025年6月打ち上げ)が引き継ぐことで、気候値(※1)の作成に必要とされる30年のデータ蓄積を目指します。”AMSRシリーズが気候変動検知の基準となる時代”に向けて、このページでは、AMSRシリーズ観測のみ(※2)を使って解析した全球の海面水温の変動を毎月更新します。
2026年3月:全球海面水温は昨年と同程度まで上昇。
図1 全球(南緯60 – 北緯60度)の月平均海面水温の季節変動(※3)
観測衛星:Aqua/AMSR-E(2002年6月 – 2011年9月)、「しずく」GCOM-W/AMSR2(2012年7月 – 現在)。
※2011年10月 – 2012年6月は観測なし。
図2 全球海面水温の空間分布(2026年3月 月平均)
図3 全球海面水温偏差の空間分布(2026年3月 月平均)
(平年値(※1)はAMSRシリーズデータのみで算出)
注記:
※1 気候値:過去の一定期間(世界気象機関による定義は30年間)のデータを使用して作成した基準値で、現在の状況が典型的か異常かを判断する際に使用されます。
AMSRシリーズの観測はまだ30年のデータ蓄積を達成していません。このため、更新のタイミングで使用可能なデータをすべて使用して(2026年3月時点で最長24年分)計算した値を“平年値”として使用しています。
※2 広範囲を短時間でカバーするメリットを持つ衛星観測ですが、観測条件によってはデータ欠損が発生します。データ欠損は、現象が持つ傾向や周期性の適切な抽出に影響する場合があるため、用途に応じて、複数の衛星観測や現場観測を統計的手法で補間・統合して作成した欠損のない客観解析データも広く利用されています。
AMSRシリーズは、その軌道設計や、雲を透過して地表面を観測可能な低周波チャネルと大型アンテナにより、約2日で全球の大部分を高解像度で観測する世界有数の観測能力を持ちますが、数日単位でみると、気象条件や人工電波干渉等によって部分的な欠損は発生します。このページで紹介しているデータは、欠損域の補間はせずに、各領域で十分にデータが蓄積される1か月の平均値から得られた解析結果を紹介しています。このため、客観解析データセットから得られる結果とは整合しない場合もあります。
加えて、AMSR観測で得られる海面水温は海面下数ミリメートルの深さの情報から推定されており、日射による海面加熱や風・降雨等の影響で変化しやすい特徴があります。一方で、客観解析データセットはこのような影響を除外して作成されている場合が多いため、両者の差異を生じさせる一因となっています。ここでは、AMSR観測に対する日射の影響を除外するために、夜間(下降軌道)の観測データのみ使用しています。
※3 AMSRシリーズ海面水温のL3プロダクトはバージョンアップによって品質に差が生じている場合があります。このため、このページに表示した解析結果は、L2プロダクトの品質フラグを使用して、一貫した品質のデータを抽出して使用しています。