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AVNIR-2による中国四川省で発生した地震に関する観測結果(5)
宇宙航空研究開発機構(以下, JAXA)では、中国四川省で発生したM 8.0の大地震に関して陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)による観測を継続的に実施しています。2008年5月30日にも高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2; アブニールツー)による現地の観測を実施しました。
図1は5月30日午後12時45分頃(日本時間, 以下同じ)に取得されたAVNIR-2画像です。残念ながら多くの雲に覆われていますが、画像の北西側付近で地表面の様子を見ることができました。地震前後における地表面の違いを調べるために、2007年3月31日午後12時52分頃に取得されたAVNIR-2画像との比較を行いました。
図2は地震前後で変化が確認できた箇所を拡大したもので、それぞれ災害前後の同じ場所の約5km四方を切り出しました。左が災害前、右が本日観測された画像です。これまで雲などの影響で確認できなかった多数の土砂崩れの様子や、崩れた土砂が川をせき止め増水している様子を確認することができました。災害前後の画像を比較すると川幅が広くなっていることも分かります。また、図2の上はAVNIR-2のバンド4, 3, 2を用いたフォールスカラー画像で植物が赤色で見え、土砂崩れなどにともなう森林域の変化が見やすくなっています。一方、図2の下はバンド3, 2, 1 を用いたトゥルーカラー画像で人の目で見た色に近い色で見えますが、フォールスカラー画像と比べて地表面の変化が見えにくい場合があります。 今後、大雨などによってせき止められている箇所が決壊すると2次災害を引き起こす危険性が想定されます。
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