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AVNIR-2による中国四川省で発生した地震に関する観測結果(4)

宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)では、中国四川省で発生したM 8.0の大地震に関して2008年5月23日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載光学センサの高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2; アブニールツー)による現地の緊急観測を実施しました。
図4: 観測場所の位置
図4: 観測場所の位置

赤枠:AVNIR-2(カラー・図1)の観測範囲

緑枠:PALSAR(モノクロ)の観測範囲

黄枠:図3(1~5)の範囲

図1は5月23日午後12時55分頃(日本時間, 以下同じ)に取得されたAVNIR-2画像です。残念ながら多くの雲に覆われていますが、雲の間から地表面の様子を見ることができました。地震にともなう 地表面状態の変化を調べるために、災害前の画像として2007年9月14日午後12時50分頃に取得されたAVNIR-2画像との比較を行いました。
図1: 2008年5月23日に取得したAVNIR-2画像 (R,G,B=バンド3, 2, 1でカラー合成)
図1: 2008年5月23日に取得したAVNIR-2画像 (R,G,B=バンド3, 2, 1でカラー合成)
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図2は災害前後で変化が確認できた図1の南側のシーンを拡大したものです。ここでは植生域の変化を見やすくするために、植生が赤色で目立つようフォールスカラー画像(R,G,B=バンド4, 3, 2でカラー合成)した画像を用いています。
図2: 図1の拡大画像(R,G,B=バンド4, 3, 2でカラー合成)
図2: 図1の拡大画像(R,G,B=バンド4, 3, 2でカラー合成)
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図3はそれぞれ災害前後の同じ場所の約5km四方を切り出した拡大画像で、図2の黄色で示した部分です。災害前後でAVNIR-2の観測角度(ポインティング角)が異なることにより生じる、地形にともなうひずみがあるため、ここではオルソ補正画像(正射投影画像)を用いました。

いずれの画像でも災害後、土砂崩れが発生し川が堰き止められ増水している様子がわかります。また、図3の3~5については前日(2008年5月22日12:15頃)観測されたPALSARの画像でも、同様に川が増水している様子が分かります (画像では暗く見える部分)。
図3: 図2の拡大画像
図3: 図2の拡大画像(2007年9月14日(災害前)観測)
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図3: 図2の拡大画像
図3: 図2の拡大画像(2008年5月23日(災害後)観測)
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図3: 図2の拡大画像
図3: 図2の拡大画像
図3: 図2の拡大画像
JAXA EORC