関連会議・研究公募

第2回 JAXA土地被覆ワークショップ

趣 旨

土地被覆は衛星リモートセンシングにおける最も古典的なプロダクトでありながら、今だに多くの研究上の問題があります。一方で、土地被覆は多くの応用分野で要望されています。実際、GEOSSの9つの社会利益分野のほとんどにおいて、土地被覆が重要な情報であるとされ、その総合的な優先順位は、降水・土壌水分・地上気温・地上風速に次いで5番目とされています(それ以外にも、優先順位30位以内に土地被覆関連の情報、例えば植生種、土地利用、積雪範囲、森林被覆などが8項目も入っています)。

JAXA/EORCは、ALOSシリーズやGCOMシリーズといった地球観測センサーを総合的に用いた応用研究を推進する一環として、土地被覆に着目し、[高解像度土地利用土地被覆図]を始めとするプロダクト開発を進めています。その一方で、土地被覆研究コミュニティとの連携を推進しており、2012年1月24日には第1回土地被覆ワークショップを開きました。そこでは、土地被覆研究に重要な精度検証、特に地上検証の手法に関する最近の情報交換を行いました。

それに続いて、今回、第2回の土地被覆ワークショップを企画します。今回は、JAXAの地球観測データ(主にALOS / AVNIR-2とGCOM-C / SGLI)を用いた土地被覆研究(と、そこからつながる応用研究)について、日本各地の研究グループと連携・協力することを検討したいと思います。

議 題

1. ALOS/AVNIR-2データを用いた土地被覆研究連携

日本各地で土地被覆研究を行なっているグループ(地域グループ)とJAXAが連携し、以下のことを行う:

  • ALOS / AVNIR-2のシーン単位で重点的な活動地域を設定する。
  • 教師(検証)情報を作成する。
  • 教師(検証)情報を検証(品質チェック)する。
  • 教師(検証)情報を共有・公開する。
  • ALOS / AVNIR-2データを用いて、高精度の土地被覆分類図を作成し、それに基づく応用研究を行う。

地域グループは実利用ユーザー(生態・気象・防災・産業等)をメンバーに含むこと。ひとつの活動地域に複数の地域グループが乗り入れることを積極的に奨励する。それによって相乗効果を狙う。

2. 教師(検証)情報の統一的な取得・共有手法の検討と提案

グランドトゥルース時や空中写真・GoogleEarth等による教師(検証)情報の取得方法・整理方法・共有方法に関するグッドプラクティスを整備し、共通化する。

3. 超重点活動地域の展開:

1の重点活動地域における研究や実利用が発展する場合、その地域を、超重点活動地域と定義し、JAXAの地球観測計画において、様々なセンサーによる観測と地上検証を重点的に行う対象地域とする。

4. 地域プロダクトとグローバルプロダクトの連携

グローバルな土地被覆図の高精度化と検証は、各地のしっかりした地域研究グループの協力が重要になる。分類アルゴリズムの共通化や相互検証を行う。

プログラム

(敬称略)
10:00 - 10:30 開会・趣旨説明 奈佐原顕郎 (JAXA EORC) / AVNIR-2高解像度土地被覆図について 高橋陪夫 (JAXA EORC) PDF File(2.8MB)
10:30 - 11:00 地域研究事例1: 高山生態系・生物多様性監視のための土地被覆・利用データの重要性 小熊宏之 (NIES) PDF File(6.7MB)
11:00 - 11:30 AVNIR-2日本データセット整備状況(幾何精度・地形補正その他) 道津正徳 (RESTEC) PDF File(521KB)
11:30 - 12:00 土地被覆研究のための衛星画像補正処理 飯倉善和 (弘前大学) PDF File(13.6MB)
12:00 - 12:30 議論
12:30 - 休憩
13:30 - 14:00 地域研究事例2: 北海道大学研究林 柴田英昭 (北海道大学) PDF File(2.1MB)
14:00 - 14:30 教師(検証)データ整備プロトコル 冨山信弘/渡辺知弘 (RESTEC) PDF File(15.4MB)
14:30 - 14:50 議論・休憩
14:50 - 15:20 GCOM-Cによるグローバル土地被覆図 福江潔也 (東海大学) PDF File(541KB)
15:20 - 15:50 グローバル土地被覆図と検証データ 加藤杏奈 (名古屋大学) PDF File(670KB)
15:50 - 16:10 議論・休憩
16:10 - 16:40 土地被覆分類に関する研究紹介と四国における研究者間連携 松岡真如 (高知大学) PDF File(2.0MB)
16:40 - 17:00 ALOS-2/3の概要について 田殿武雄 (JAXA EORC) PDF File(5.4MB)
17:00 - 17:30 議論・まとめ・散会
18:00 - 懇親会