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地球が見える 2019年

「しきさい」が捉えたシベリアの森林火災

今年の7月、日本は関東地方を中心に記録的な日照不足になりましたが、世界に目を向けると、今年の7月は観測史上最も暑い夏でした(米国海洋大気庁発表)。この暑さのため、今年は世界のあちこちで異常気象が発生しており、欧州のフランスでは、首都パリが42℃を超える熱波に襲われ(AFPBB News)、「しきさい」でもパリ周辺が熱波に襲われる直前を捉えた画像を先日公表したばかりでした(JAXAサテライトナビゲーター)。そして、ロシアのシベリアでは、今年は大規模な森林火災が多発しており、報道によれば、延焼地域は740万ヘクタールにも及んでいると伝えられています(AFPBB News)。

図1は、2019年7月24日に「しきさい」が捉えたロシア・シベリアにあるバイカル湖周辺の観測画像です。バイカル湖の北方には大規模な火災で発生した煙(黄色丸内のうす茶色に見る部分)が広がりながら漂っており、またレナ川の近くにも個々の森林火災域から立ち上がる煙が多数、風にたなびいている様子が分かります。以下では、レナ川付近の火災域に着目し、「しきさい」搭載多波長光学放射計(SGLI)が250mの分解能で撮像した火災域の様子を複数の波長帯で見ていくことにします。

図2には、図1中に赤線の矩形で示した森林火災域の一部分を拡大した図を、(左上)可視光のみを用いて人間の目で見た状態に近い色合成で作成したトゥルーカラー画像、(右上)近赤外線、短波長赤外線を混ぜて植生が緑色になるように色合成した疑似カラー画像、(左下)熱赤外線の輝度温度で色付けした画像の3種類に分けて示しています。

宇宙から火災域を可視光のみで観測した左上の画像では、ほとんど煙しか見えていませんが、近赤外域(VN11)や短波長赤外域(SW3)の波長帯を混ぜた右上の画像では、光が煙を透過するようになり、煙の下の植生の様子が透けて見えているのが分かります。また、短波長赤外域では高温の物体からの熱放射にも感度があるため、画像中で赤く光っている部分は今まさに燃焼中の森林域を示しています。左下の熱赤外線の画像では、煙はほとんど透明になり、地表面の温度分布が捉えられており、燃焼中の高温域の分布だけでなく、燃焼跡内の温度むらまで捉えることができています。このように、「しきさい」が搭載するSGLIセンサは、可視光から熱赤外線まで19個の波長帯の光を、同じ250mの空間分解能で撮像することができ、森林火災の様子を詳細に観測することが可能です。

大規模な森林火災は樹木の燃焼により大量の二酸化炭素を大気中に放出します。また、シベリアには凍土域が広く分布していますが、火災で樹木が失われることにより地表面が直接日射に照らされ地表面温度が上昇すると、凍土融解の引き金となり、凍土中に閉じ込められているメタンガスが大気中に放出されることも懸念されます。二酸化炭素もメタンもどちらも温室効果気体ですので、シベリアの森林火災の頻発は、地球温暖化を加速するものと懸念されます。このように、世界中でどれくらいの森林域が毎年消失しているのか、その変化を今後も注意深く監視していく必要があります。JAXA/EORCでは、今後もひきつづき世界の環境変動の監視を続けていきます。

観測画像について

画像:観測画像について


図1、2

観測衛星 気候変動観測衛星「しきさい」(GCOM-C)
観測センサ 多波長光学放射計(SGLI)
観測日時 2019年7月24日

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