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地球が見える 2010年

縮小する砂漠の湖、チャド湖

 近年の干ばつや灌漑農業の影響で、アフリカ大陸の湖が危機にさらされています。主なものだけで600以上あるアフリカ大陸の湖の多くで、水量の激減や湖の縮小が見られています。特にサハラ砂漠南部のチャド湖は、消失が危惧されるほど急速に縮小が進んでいます。湖水面積は、1960年代前半には約25,000 km2ありましたが、現在ではその15分の1程になっています。

チャド湖周辺の衛星画像
チャド湖周辺の衛星画像
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図1 チャド湖周辺の衛星画像
(Google Earthで見るチャド湖(kmz形式、4.04 MB低解像度版))

 図1は、ALOS(だいち)が2010年1月、2008年12月、2007年12月の3時期に撮影したレーダ画像を、それぞれ赤、緑、青でカラー合成した、チャド湖周辺の画像です。画像中央の明るい部分と、その左上にあるやや明るい部分が、湖水で覆われていた領域です。現在は、画像中央右の、明るい部分の中にあるやや暗い部分にのみ湖水が見られます。なお、画像周辺の暗い部分は砂漠です。
チャド湖はアフリカ大陸中央部、サハラ砂漠の南部の乾燥地帯に位置しています。淡水の湖沼で、水深が浅いため、湖の周囲はヨシやパピルスなどが生い茂っています。チャド湖右下の細長い明るい部分はシャリ川、左の細長い明るい部分はコマドグ・ヨベ川です。レーダ画像では、通常、地表に木々や建物がある場所は明るく映り、水や土・砂の様に平らな場所は暗く映ります。チャド湖の周辺や川沿いは、植物で覆われているため、画像には明るく映っています。

チャド湖周辺の拡大画像
チャド湖周辺の拡大画像
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図2 チャド湖周辺の拡大画像

 図2はチャド湖周辺の拡大画像です。画像には、赤や黄色、水色に見える場所があります。これは、約1年間隔で3回に渡り観測した画像の間に、地表で起きた変化が現れているからです。植物が衰退し、砂漠化が進むと画像は暗くなります。逆に水域が後退し、植物が生えてくると画像は明るくなります。例えば、図2で赤い場所は、レーダの反射が強くなった場所で、植物が生えてきたことを示しています。また水色の場所は、レーダの反射が弱くなった場所で、砂漠化していることを示しています。このように、図の色彩のある場所は、チャド湖周辺で起きる様々な変化を示しているのです。

1973年のチャド湖の湖面1987年のチャド湖の湖面
1973年のチャド湖の湖面1987年のチャド湖の湖面
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図3 1973年(左)と1987年(右)のチャド湖の湖面

 図3は1973年と1987年にLandsatが撮影したチャド湖水域の画像です。左の画像が1973年に撮影されたもので、画像の左上から右下にかけて、水域が映っています。しかし、1987年に撮影された右の画像では、水域は画像右下の小さな領域にしか見られません。
歴史的に見て、チャド湖は拡大と縮小を繰り返してきたと考えられています。化石の分析などから、最近の1,000年間で6回干上がったことが分かっています。砂漠には、強風によってできる三日月型砂丘(バルハン)が広く連鎖して続いています。チャド湖の北側と北東側に見えるひだのような細かい構造や、湖に浮かぶ小さな島々は、チャド湖が以前に干上がった時にできた無数の砂丘の名残りです。
しかし近年の急激な変化は、気候変動に加えて、流入するシャリ川沿いの灌漑農業やチャド湖周辺での牧畜が原因であると考えられています。人間がチャド湖の縮小を加速化しているといえます。

アフリカの湖

 アフリカ最大の湖はヴィクトリア湖で、世界でも3番目、淡水湖の中では2番目の湖水面積を誇ります。アフリカで最も深い湖はタンガニーカ湖で、世界で2番目です。アフリカ大陸東部の大地溝帯にはこれらの大きな湖をはじめ多数の湖があり、それぞれナイル川やコンゴ川の源になっています。
一方、アフリカ大陸中央部にあるチャド湖ですが、この湖だけが海につながっていません。砂漠の中にあって、面積は広いものの水深が浅いため、環境変化の影響を受けやすい湖です。過去の拡大縮小は純粋に気候変動によるものと推測され、降水量や河川からの流入量が減少すると、湖水域が急激に縮小してしまうのです。



観測画像について

観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: フェーズドアレイ方式Lバンド合成開口レーダ(PALSAR)
観測日時: 2007年12月28日09時30分頃(世界標準時) (図1、2)
2008年12月30日09時28分頃(世界標準時) (図1、2)
2010年 1月 2日09時28分頃(世界標準時) (図1、2)
地上分解能: 100 m(広域観測モード)
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 図1、2は、2010年のPALSAR画像を赤、2008年を緑、2007年を青に割り当ててカラー合成しました。地上で何か変化が起きると、いろいろな色が付き、次の様に見えています。

赤: 2008年12月から2010年1月の間に植物が茂った場所
黄色: 2007年12月から2008年12月の間に植物が茂った場所
水色: 2008年12月から2010年1月の間に砂漠化した場所
青: 2007年12月から2008年12月の間に砂漠化した場所


観測衛星: ランドサット1号 (米国)
観測センサ: マルチ・スペクトル・スキャナ (MSS)
観測日時: 1973年1月12日(世界標準時)(図3左)
1973年1月31日(世界標準時)(図3左)
地上分解能: 79 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 図3左は、米国メリーランド大学のGlobal Land Cover Facility (GLCF) Earth Science Data Interfaceのサイトから無料でダウンロードしたデータを用いました。通常は可視域のバンド2(630〜690ナノメートル)、近赤外域のバンド3(760〜860ナノメートル)、可視域のバンド1(520〜600ナノメートル)の各バンドに赤、緑、青色を割り当てますが、ここでは通常と異なって、緑にバンド2の値×90%とバンド3の値×10%の和を割り当てるという工夫をしたので、肉眼で見たのとほぼ同じ色合いの画像となっています。
砂漠地帯は白、植生域は明るい緑、水域は薄い青色に見えます。データのないところは黒く表現されています。

観測衛星: ランドサット5号 (米国)
観測センサ: セマティック・マッパー (TM)
観測日時: 1987年1月15日(世界標準時)(図3右)
地上分解能: 30 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)

 図3右は、米国地質調査所の画像検索サイト USGS Global Visualization Viewerから無料でダウンロードしたデータを用いました。可視域のバンド3 (630〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)、バンド1 (450〜520ナノメートル)に赤、緑、青色を割り当ててカラー合成したので、肉眼で見たのと同じ色合いとなります。

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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