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地球が見える 2008年

ベトナム最大の商業都市 ホーチミン

図1 ホーチミン市周辺画像
図1は2007年2月に捉えたベトナム社会主義共和国南部ホーチミン市周辺の画像です。ホーチミン市街は画像では中央左側の灰色に見えるところで、もともとは沼地であり、その平均海抜は19mです。ドンナイ川の支流であるサイゴン川の西岸に市街地が広がっています。ベトナム国内では東南部に位置し、Prey Nokor(クメール語で「森の街」を意味する)として知られる小さな漁村として出発しました。南シナ海に面して、ドンナイ川河口右岸に濃い紫色に広がっているのはマングローブ森林帯です。マングローブ保護区に指定されており、約75,000ヘクタールの広さを擁しています。対岸のメコン・デルタ地帯の緑色に広がる耕作地帯とは対照的です。
ドンナイ省から流れ込んでくるドンナイ川の下流はホーチミン市周辺を通り、南シナ海に大河となって流れこんでいます。メコン川やドンナイ川河口の南シナ海は大河によって運ばれた土砂の影響を受けて茶褐色に見えています。

図2 ホーチミン市拡大画像
(Google Earthで見るホーチミン (kmz形式、3.94MB、低解像度版))
図2はホーチミン市を拡大した画像です。
1975年までは「サイゴン」と呼ばれていたベトナム最大の商業都市、ホーチミン市の人口は、首都ハノイの2倍の約611万人(日本外務省ホームページ、2008年2月現在)で、その数は年々増加の一途をたどっています。街はサイゴン川の西側に開けており、フランスの影響で、かつて「東洋のパリ」ともたたえられた美しい建築物が点在しています。
その代表的な建築物として、図中央に中央郵便局、サイゴン大教会、統一会堂があります。中央郵便局は、19世紀末のフランス統治時代に建てられたコロニアル様式の貴重な建築文化財です。内部はクラシックなアーチ状になっており、入口を入った右側は1892年のサイゴンとその周辺の地図、左側には1936年の南ベトナムとカンボジアの電信網が描かれています。
サイゴン大教会は、中央郵便局の隣にあり、19世紀末に建てられた赤レンガ造りのカトリック教会です。約40mの2つの尖塔がそびえ立ち、クラシックな趣と歴史を感じさせます。内部は厳かなゴシック建築で、日曜に開かれるミサは敬虔な教徒が外まであふれるほどで、正面には聖母マリアの像が立っています。統一会堂は、南ベトナム政権時代の旧大統領官邸で、現在の建物は1962年から4年間かけて建てられたもので大小100以上の部屋があります。
ホーチミン市の空の玄関は、ホーチミンシティ(タン・ソン・ニャット)国際空港で、海の玄関はベトナム最大の港であるサイゴン港です。なお、サイゴン港は海には面しておらず、河口から80kmもさかのぼったドンナイ川の支流サイゴン川に作られています。この理由は、デルタ下流にあたる泥が堆積した南部の海岸線は、遠浅で大きな船の接岸には適さないためです。
陸路としては、統一鉄道のサイゴン駅があります。このサイゴン駅からは、ハノイ方面へ向けての列車が、また隣接する貨物ヤードからはハノイ方面への貨物列車が発着します。
1914年に創設された、ホーチミン市最大のベン・タイン市場は、毎日数万人の買い物客や旅行客が訪れ、常に庶民の暮らしの中心にあり続けています。また、市の中心街から西へ約5km行くと、チャイナタウンのチョロンがあり、チョロン最大のビンタイ市場があります。どちらの市場にも、その賑わい、品数の豊富さ、規模の大きさには驚かされます。メコン・デルタの恵みである、生産物や製品が一同に集まっています。
ドイモイによる市場経済を軸とした自由競争はますます街に活力を与え、現在も進化中です。また、2001年12月に「ホーチミン市に対する一部の分野の管理分担に関する政府議定」が発出され、土地区画整備、予算管理、行政組織の改編等の分野で中央政府の承諾を待たずして、ホーチミン市のみで決定できる権限を付与されました。これにより、ビジネス環境、特に外国投資環境の改善について、ホーチミン市が、パイロット・プログラムを導入するなど、主導的な役割を担っています。
現在は、高層ビルが増え、外国企業の広告看板が林立し、しゃれた店やレストランも次々にオープンし、通りやロータリーは一日中車やバイクであふれ返っています。留まるところを知らないこの大都市ホーチミンは、強烈な日差しのようにエネルギッシュなパワーで今日も発展を続けています。



観測画像について:


(図1〜図2、図をクリックすると2段階で拡大します)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)
観測日時: 2007年2月5日03時28分頃(世界標準時)
地上分解能: 10m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2は、4つのバンドで地上を観測します。図1及び図2は、いずれも可視域のバンド3(610〜690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1(420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見 えています。

濃い紫色: マングローブ林
濃い緑色、濃い茶色: 森林
明緑色: 草地、農地
灰色: 市街地、道路
青、うす茶色: 水域

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
ベトナムの苦い果実「LEKIMA」−台風14号
合成開口レーダで見るメコン・デルタ
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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