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地球が見える 2007年

夏が来れば 思い出す、尾瀬

図1 尾瀬国立公園周辺画像
(Google Earthで見る尾瀬 (kmz形式、5.21MB、低解像度版))
(全体画像)
図1は2006年11月上旬に捉えた新「尾瀬国立公園」周辺の画像です。尾瀬国立公園は8月30日に日光国立公園(図右下)から分離し、隣接地域の会津駒ケ岳・帝釈山(たいしゃくさん)周辺と合わせて3万7千ヘクタールの新しい国立公園として生まれ変わります。国立公園を分けるのは初めてで、新国立公園の誕生は「釧路湿原国立公園」以来20年ぶりのことです。図左上は新潟県で、その東側の山稜(さんりょう)は越後山脈です。そこには巻機山(まきはたやま)・平ヶ岳(ひらがたけ)・会津駒ケ岳がけわしい尾根を連ねています。図左下に広がる灰白色の市街は群馬県沼田市、その北方に武尊山(ほたかやま)がそびえています。図右下の市街は栃木県日光市、その西側の山塊で頂上に僅かに雪を冠しているのが日光国立公園の日光連山の最高峰白根山(標高2,578m)です。戦場ヶ原を挟んで右横の男体山(なんたいさん)の直下には中禅寺湖が見えます。これら二千メートル級の山々に囲まれて福島県・群馬県・新潟県の三県境に位置する盆地にひっそりと佇むのが尾瀬です。衛星画像からは人里離れた山中にあることが一目で分かります。山間の峡谷には鳥の足跡のような形をした日本有数の人造湖である奥只見湖や奥利根湖が見え、この地域一帯が豊かな降水量に育まれた貴重な生態系を有する自然の宝庫であることが窺えます。

2006年6月下旬 2006年11月上旬
図2 尾瀬周辺拡大画像
図2は尾瀬周辺の夏と秋の姿を並べた拡大画像です。各画像の右手中央に見える湖が尾瀬沼(180ヘクタール)です。尾瀬沼(標高1,665m)の水は、画像中央の尾瀬ヶ原(標高1,400m)に流れ、そこに本州最大(760ヘクタール)の高層湿原を形成しています。尾瀬ヶ原には池塘(ちとう、湿原に点在する小湖沼)が大小約300個もあるといわれ、この池塘が衛星画像に写る湿原をまだら状に見せています。尾瀬ヶ原の東方と西方にそびえる山が、燧ケ岳(ひうちがたけ 標高2,356m)と至仏山(しぶつさん 標高2,228m)です。尾瀬の盟主たる二つの山は、後背として景観を引き立て、展望台となって雄大な眺望をつくるだけでなく、地質学的な起源の違いから尾瀬独自の豊かな植物相を生み出しています。
尾瀬は、木道が整備されて歩きやすく、四季折々にその表情を変えることから老若男女のハイカーが年間約30万人以上も訪れます。主な入山口は尾瀬ヶ原に近い鳩待峠と尾瀬沼に近い沼山峠です。春は、雪どけ水が湿原を潤し、5月中旬には尾瀬のシンボルであるミズバショウの白い花が顔を出します。夏になると、図2左側のように尾瀬ヶ原は周囲の山々とともに緑色に変身します。白いワタスゲや高山植物の可憐な淡紅色や紫色の花々が風にそよぐ景観は、木道を歩くハイカーの足をしばし止めるほどの美しさです。尾瀬沼から沼山峠にかけて拡がる大江湿原ではニッコウキスゲの大群落が楽しめます。「夏が来れば思い出す」で始まる唱歌「夏の思い出」は、夏に訪れた尾瀬の美しさを歌い、その名を全国に知らしめた名曲です。
尾瀬の秋は、9月から始まり、周囲の山々の紅葉に合わせて湿原も草もみじに変色します。図2右側は湿原の草もみじが陽の光をあびて黄金色に輝く様子をとらえています。尾瀬ヶ原を分かつ文様は、湿原を流れる川筋を写したものです。冬になると尾瀬は一面の銀世界と化し、翌年の春まで深い雪の下にその姿を隠してしまいます。

尾瀬は1953年に日光国立公園の一部として特別保護地域に指定され、2005年にはラムサール条約の指定湿地として登録されました。その間、発電所や観光道路の建設計画が周辺で浮上する度に草の根的に自然保護運動が展開され、今日まで貴重な自然が守られてきました。尾瀬は、「ごみ持ち帰り運動」の発祥の地としても知られ、人と自然の共生を考えるわが国の自然保護運動の原点となる地です。



観測画像について:
(図1、図2および全体画像、図をクリックすると二段階で拡大します)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年11月 9日10時 8分頃 (日本標準時)(図1、図2右および全体画像)
2006年 6月24日10時 6分頃 (日本標準時)(図2左)
地上分解能: 10m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2は、4つのバンドで地上を観測します。図1及び図2は、いずれも可視域のバンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2(520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。
緑色: 森林
茶色: 紅葉した森林
明るい茶色: 湿原
青っぽい灰色: 市街地、道路
青: 水域
白: 雲、雪

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
八重山諸島と「ちゅらさん」の島
地球が見える 陸地・地形
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画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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