地球が見える 2007年
湖上の宮殿、ウダイプル
図の下側(南)にあるのがピチョラ湖、上側(北)にある湖がファテー・サガール湖です。ピチョラ湖は4km×3kmの大きさがあります。ピチョラ湖の上側にあるジャグ・ニワス島はマハラナが夏の離宮として建てた白亜の宮殿レイクパレスです。島の全てが大理石でできており、現在はホテルとして利用されています。ここは映画「007オクトパシー」の撮影場所としても有名です。下側にあるジャグ・マンディル島はムガール帝国の皇帝シャー・ジャハーンが一時住んでいた宮殿があります。 ファテー・サガール湖は1678年の大雨でダムが決壊したときに造られ、その後マハラナのファテー・シンによって再建・拡張されたものです。ファテー・サガール湖の中央に大きく見えている島は、インドの初代首相の名を冠したネール公園です。フラワーガーデンや蓮池があります。また、この湖の中央には世界でも数少ない太陽を観測するウダイプル太陽観測所があります。雨が少なく、湖上にあることから地熱の影響が少なく大気の揺れが少ないため太陽の観測に向いているようです。 これらの湖は気候変動に弱く、何度も大雨や干ばつに見舞われています。最近では1975年に大雨、そして、2003年、2005年には完全に干上がってしまったようです。この時には観測所やレイクパレスまで歩いて渡ることができました。今年は図2からかなり水に恵まれていることが分かります。 ピチョラ湖東岸の丘に建つのは、今もマハラナが住むシティパレスという宮殿です。増改築を重ねたことから、ラージャスターン州でも最大規模を誇り、東西240m、南北450mの巨大な宮殿です。大理石がふんだんに使われており、一部が博物館として一般公開されています。シティパレスの入り口にはマハラナのジャガット・シンによって1651年に建てられた美しいインド・アーリア建築様式のジャグティシュ寺院があります。この寺院はヒンズー教のヴィシュヌ神に捧げられたもので、全宇宙の神を意味するジャグナートという黒い石が安置されています。 ファテー・サガール湖の東岸には侍女達の庭園(サヘリヨン・キ・バリ)が見えています。ここは18世紀にマハラナのサングラム・シンが造った庭園で、王族の娘達や侍女達がピクニックにやってきた場所として知られています。噴水、あずまや、大理石製の象の彫像、蓮池などがきれいに配置された庭園となっています。 ただ、噴水は水不足のため観光客が通る時だけでているようです。
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