ページの先頭です。
本文へジャンプする。
【重要なお知らせ】このページは過去に公開された情報のアーカイブページです。更新を終了しているため、リンク切れや古い情報が含まれている可能性があります。 最新情報については、新サイト Earth-graphy (earth.jaxa.jp) をご利用ください。
ここからサイト内共通メニューです。
サイト内共通メニューを読み飛ばす。
サイト内共通メニューここまで。
ここから本文です。

地球が見える 2007年

躍動する都市、上海

図1 上海周辺図
(全体画像)
図1は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2007年2月に捉えた上海周辺の画像です。図上部に見える大きな川は長江(チャンチアン、上流部は金沙江、きんさこう、下流部は揚子江、ようすこう)です。チベット高原を水源とし東シナ海に注ぐアジア最長(6,300km)の大河の河口付近を捉えています。黄濁した水流の模様は華中(中国の中部、長江の中・下流域地方)の長大な流域から運ばれる土砂が多いことや水量が豊かなことを示しています。
その南岸に広がるのが約2,000万人の巨大な人口を擁する中国最大の都市である上海の市街地です。ここは首都北京から南南東へ約1,070kmのところに位置します。市内を南北に蛇行し長江と合流しているのが黄浦(こうほ)江です。この川を挟んで西側が旧上海、東側が新上海とも呼ばれます。上海港は長江の河口と黄浦江の両岸に発達した中国最大の河川港で、河岸には多くの埠頭や桟橋を見ることができます。長江の河口には、流出土砂が堆積してできた崇明(チョンミン)島(日本の淡路島の約2倍の面積)や長興(ちょうこう)島が浮かび、上海市民に豊かな自然環境を提供しています。図下部に見える滑走路は虹橋(こうきょう)国際空港です。

図2上海中心部拡大図
(Google Earthで見る上海 (kmz形式、1.75MB、低解像度版))
図2は上海の中心部を拡大した画像です。黄浦江の西側は「浦西(プーシン)」、東側は「浦東(プートン)」と呼ばれます。「浦西」では1920年代の美しい石造建築物が川に沿って南北に連なる外灘(ワイタン、英語名:バンド)が特に有名です。対岸の「浦東」は、1990年以降の改革開放後に開発された新しい街で、新上海のシンボルとなる高さ468mの東方名珠(とうほうめいじゅ、トンファンミンジュ)テレビ塔や世界でも有数の高層ホテルが林立する商業地として発展中です。そして歴史のある外灘との対比は上海の今昔を一層際立たせています。その近未来的な摩天楼は、北西方向に長く伸びる幾筋もの建物の黒い陰から窺い知ることができます(図2を拡大してご覧ください)。川の中央まで陰が伸びているのがテレビ塔です。2008年には日本の六本木ヒルズと同系列の上海ヒルズ(上海環球金融中心、地上101階建て高さ492メートル)が竣工予定です。
2010年に予定されている上海万国博覧会の開催会場は、南浦(なんぽ)大橋と盧浦(ろほ)大橋との間の黄浦江を挟むところにあります。特に浦東側のテーマパビリオン建設予定地では、更地が所々明るく輝き、会場整備が着々と進行中であることがはっきり見てとれます。南浦大橋は東京のレインボーブリッジと同様にループ状になっています。この他、「浦西」の一画には明代の庭園として有名な豫園(よえん)や、2008年の北京オリンピックでのサッカー会場となる上海体育場、地方への移動拠点となる上海駅も見えます。市街に散在する赤や青の原色文様は、集合住宅などの建物の屋根が見えているものです。

上海は、華中の水上交易の基幹交通路として利用されてきた長江の南岸に位置し、海にも面していることから13世紀に港湾都市として発展を始めたと言われています。20世紀初頭には西欧の租界が置かれ国際的に認知されました。そして21世紀に入ってからは中国における国際貿易・金融・経済の一大センターとして日本を含む外国との関係を益々深くしています。約40年前の東京オリンピック(1964年)と大阪万博(1970年)の開催を契機に飛躍的な経済発展を遂げた日本の成長過程に重ねて見たとき、北京オリンピックと上海万博を控えた中国の都市の中で、今、最も躍動感に満ちた都市が上海だと言えます。



観測画像について:
(図1、図2及び全体画像)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2007年02月21日02時44分頃 (世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2は、4つのバンドで地上を観測します。図1、図2及び全体画像は、いずれも可視域のバンド3 (610〜690ナノメートル)、バンド2 (520〜600ナノメートル)とバンド1 (420〜500ナノメートル)を赤、緑、青に割り当てカラー合成しました。この組合せでは、肉眼で見たのと同じ色合いとなり、次のように見えています。

緑色: 森林、草地、畑地
黄土色: 畑地、裸地 、河、海
青っぽい灰色: 市街地、道路
赤、青: 屋根
白:
黒: 雲の陰、ビルの陰、データのないところ

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
悠久の歴史を刻む北京:中国
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
画像:ページTOP