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地球が見える 2007年

悠久の歴史を刻む北京:中国

図1 北京周辺の画像
(Google Earthで見る北京 (kmz形式、1.46MB、低解像度版))
(全体画像)
図は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2006年11月に捉えた北京周辺の画像です。画像中央には水を湛えた北海公園と周りを四角い堀で囲まれた故宮博物院が見えます。故宮博物院はかつての王宮「紫禁城」で、北京の街並みが紫禁城を中心に形成されたことが分かります。

図中央の二つの緑色の枠のうち、上の方の枠(北端は北海公園の北側、南端は天安門広場南の正陽門前の東西の大通り)は、明清北京内城跡を示しています。下の方の緑色の枠は、東西と南に川を利用した堀を残す北京外城跡です。外城内には天壇(てんだん)公園の他にも大きな公園が4箇所見えています。旧内城の南東の隅には、プラットホームの白い屋根が並んだ北京駅が見えています。北京北駅は旧内城の北西の角の外、北京南駅は旧外城内の、陶然亭公園に接する堀の南にあります。かつて、北京城を取り囲んでいた内城壁はほとんど取り払われて環状道路(二環路)に、外城壁跡も多くは一般道路となっています。二環路の外側に三環路、四環路、五環路が見えます。

故宮博物院の北の三環路沿いに中国科学技術館の円筒形ビルと丸いドームが白く見えています。ここには宇宙船や人工衛星の模型などが展示されています。さらに北上して四環路の北側の一角が黄土色に見えており、裸地となっていることが分かります。ここは2008年に開催される北京オリンピックのメイン会場(オリンピックグリーン)となる場所です。建設中のオリンピック・スタジアムや各種競技場が見えています。

画像の北西の隅には頤和園(いわえん)が見えます。ここは万寿山と昆明湖からなる面積290ヘクタールの中国の典型的庭園で、もともと清朝の離宮として乾隆帝が1750年から15年をかけて作らせたもので、山も湖もすべて人工のものです。第2次阿片戦争中の1860年に、英仏連合軍によって焼き討ちにされました。その後、清帝国の実際の権力掌握者となっていた西大后が自分の還暦祝いを機に再建を思い立ち、大改造を加えて「頤和園」と名づけ、西大后専用の避暑地としたことから、英語ではサマーパレスと呼ばれています。現在は北京政府所有の公園として市民に開放されています。

故宮博物院、頤和園および天壇公園はそれぞれ「北京と瀋陽の明・清朝の皇宮群」(1987,2004)、「頤和園、北京の皇帝の庭園」(1998)、「天壇:北京の皇帝の廟壇」(1998)として国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界文化遺産リストに追加されました。
なお全体画像を見ると、北京市街地の南東、南および北西に3つの空港が見えますが、空の玄関北京首都国際空港は北東に約25km離れているため、画像には含まれていません。

図2 故宮博物院の拡大図
図2は故宮博物院(旧紫禁城)の拡大図です。故宮博物院とその北の景山公園の中には屋根が金色に輝く建物がいくつか見えます。これらの建物の屋根は煉瓦色の瓦で葺かれていますが、そこに太陽光線が当たって金色に見えています。
紫禁城は明王朝の宮殿として1420年に造営されて以来、清王朝に受け継がれ、辛亥革命(1911年)によって終焉を迎えるまでの約500年間、絶対王権の象徴でした。周囲を高さ約10メートルの城壁と幅52メートルの堀に囲まれた城で、東西753メートル、南北961メートルの広大な城郭の中には、主要な建物だけでも優に50を数え、楼閣などの付属の建造物を合わせると実に9,000に達すると言われています。敷地面積は72万平方メートルで東京ドーム15個分に相当します。1925年以降、紫禁城は故宮博物院として一般に公開されています。なお、故宮博物院は北京の他、瀋陽と台北にもあります。
通常の観光では天安門をくぐって端門を過ぎ、さらに進んで紫禁城の正門である午門に達します。そこから奥には太和門(たいわもん)、太和殿、中和殿、保和殿(ほわでん)、乾清門(けんせいもん)、乾清宮、坤寧宮(こんねいきゅう)、坤寧門、神武門(じんぶもん)などがあり、画像でも見てとれます。

故宮博物院の南にある天安門広場は面積40万平方メートルの世界で最も広い広場の一つで、50万人を収容できると言われています。画像では国旗掲揚台、人民英雄記念碑、毛主席紀念堂、正陽門が見えています。広場を挟んで東側には中国国立博物館が、西側には人民大会堂が見えています。人民大会堂の西に見える白い巨大なドーム状の建物は中国国家大劇院で、内部にオペラハウスやコンサートホール、伝統芸能舞台を備えた巨大劇場で、2007年7月から使用される予定です。



観測画像について:
(図1及び図2)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年 11月29日 03時11分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は4 つのバンドで地上を観測します。通常は、このうちバンド3 (610 〜 690 ナノメートル)、バンド2 (520 〜 600 ナノメートル)及びバンド1 (420 〜 500 ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当て、カラー合成すると肉眼で見たのと同じような色合いとなります。図は通常と異なって、緑にバンド2 の値×90%とバンド4 (760〜890ナノメートル)の値×10%の和を割り当てるという工夫をしたので、植生の分布が見やすくなっています。
画像には次のようなものが見えています。
深緑色: 森林
緑色: 草地、畑地
黄土色: 畑地、裸地
青っぽい灰色: 市街地、道路
濃紺: 水面(湖、池、川)
白:
黒: 雲の陰、データのないところ

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
麗しき島(イラ・フォルモサ)の中心都市:台北
地球が見える 陸地・地形
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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