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地球が見える 2007年

世界一美しい霊廟:インド、タージ・マハール

図1 アーグラー市街とその周辺
(Google Earthで見るタージ・マハール (kmz形式、1.62MB、低解像度版))
(全体画像)
図1は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2006年10月に捉えたインド北部のタージ・マハール周辺の画像です。図の上から右へ蛇行しながら流れるのは、ヒマラヤに源を発するインドの大河の一つ、ガンジス川最大の支流であるヤムナー川です。雨季を過ぎて水量が落ちているのか、灰白色の中州が数カ所見えています。その西岸に広がる灰色の市街はインドの首都デリーから南へ200 kmのところに位置し、人口約132万人を擁する中都市アーグラーです。ここはムガール帝国(1526〜1857年)の古都で、16世紀頃の遺跡が数多く残り、インド最大の観光地として有名です。
ヤムナー川が大きく湾曲しているところの南岸に直交するように整然と位置する方形の建物がタージ・マハールです。その西側の三角形の緑地の中に所々赤く見えるのがアーグラー城です。アーグラー城は、ムガール帝国第3代皇帝アクバルによって16世紀に築かれたもので、城壁は高さ約20メートル、周囲2.5キロメートルにもなり、別名「赤い城」とも言われます。これは、城壁の建築材として赤砂岩が使用されているためです。城内の一際白く輝く建物は第5代皇帝シャー・ジャハーンが建立した白亜のモスク(モーティー・マスジット)の中庭です。図左に見える滑走路は国内線専用のアーグラー空港です。

図2 タージ・マハール拡大図
図2はタージ・マハールを拡大した画像です。この建物はムガール帝国のシャー・ジャハーン帝が38才で急逝した最愛の王妃を偲んで、22年の歳月をかけて建造した霊廟で、1653年に竣工しました。白亜の大理石で作られた高さ65メートルの円形ドームと四隅にある高さ42メートルの尖塔(ミナレット)、それに十字形の水路を有する四分庭園、入り口となる南大門などが対称に配置されています。この霊廟の壮大さは高度700 kmの宇宙からもはっきりと見て取れます。川を挟んだ向こう側にも同様のドーム基底部と庭園構造が認められますが、これは白の霊廟に対比して黒を基調にしたもう一つの霊廟を対岸に建造し、それらをヤムナー川に架けた橋でつなぐという気宇壮大な建造計画の名残です。晩年のシャー・ジャハーン帝は廟建造での莫大な浪費を理由にアーグラー城に7年間も幽閉され、ヤムナー川越しに浮かぶタージ・マハールを眺めながらその生涯を閉じたと伝えられています。
これらの建物が建てられたのは、日本では天下分け目の関ヶ原の戦い(1600年)の前後に当たり、ヨーロッパ各国が東インド会社をつくって香辛料貿易を進めた時代でした。このため建築様式にも大航海時代の名残があり、ペルシャ由来のイスラム文化、ヨーロッパ由来のバロック文化、それにインド固有のヒンドゥー文化が融合した不思議な美しさを醸し出しています。タージ・マハールは1983年には優れた普遍的価値のある建築物として、国際連合教育科学文化機関 (UNESCO)の世界文化遺産に登録されました。しかし、近年大気汚染や酸性雨による深刻な被害を受けて、その保護・修復対策が国際協力の下、インド政府により積極的に進められています。



観測画像について:
(図1及び図2)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年10月15日5時34分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
AVNIR-2 は4 つのバンドで地上を観測します。通常は、このうちバンド3 (610 〜 690 ナノメートル)、バンド2 (520 〜 600 ナノメートル)及びバンド1 (420 〜 500 ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当て、カラー合成すると肉眼で見たのと同じような色合いとなります。図は通常と異なって、緑にバンド2 の値×90%とバンド4(760〜890ナノメートル) の値×10%の和を割り当てるという工夫をしたので、植生の分布が見やすくなっています。
画像には次のようなものが見えています。
深緑色: 森林
緑色: 草地、畑地
黄土色: 草地、畑地または裸地
青っぽい灰色: 市街地、道路
濃紺: 水面(湖、池、川)
黒: データのないところ

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
地球が見える 陸地・地形
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画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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