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地球が見える 2006年

アメリカ発祥の地、ボストンと学園都市、ケンブリッジ

(Google Earthで見るボストン(kmz形式、1.47MB、低解像度版))
(全体画像)
図は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2006年8月に捉えたアメリカ、マサチューセッツ州の州都、ボストン周辺です。図中央の灰色の市街地を左から右に蛇行しながら流れるチャールズ川は、図右下のボストン湾に注いでいます。川の北側がケンブリッジ市、南側がボストン市です。湾に面して二重のX字のような滑走路や迷路のようなターミナルが一瞥できる巨大な空港はローガン国際空港です。対岸のウォーターフロントにはたくさんの桟橋が突き出ています。これらの桟橋の西側にある中心街を白っぽく南北に貫いているのが慢性的な渋滞に悩まされていたインターステイト93号線(I-93)の跡地です。1991年に始まったセントラル・アーテリー/トンネル・プロジェクト(通称、ビッグ・ディッグ:大掘削)は、高架式のI-93を地下化して車線を増やすなどして、渋滞の緩和を図り、I-93の跡地を公園にするという壮大なプロジェクトで、地下工事は2004年末までにほぼ完了しましたが、I-93の跡地の緑化や再開発はまだ進行中のように見えます。ボストン湾には、白い砂浜で縁取られた島々が浮かび、新大陸に船で渡ってきた人たちを惹き付けた自然の造形の妙が見て取れます。

ケンブリッジはチャールズ川の北側に位置する街です。世界中から優秀な学生が集まる学園都市で、ロンドンの学園都市に因んで名づけられました。ここには故ケネディ大統領を始めとする政治家などアメリカを支える人材を輩出したハーバード大学とノーベル賞受賞者を多数輩出したマサチューセッツ工科大学(MIT)があります。ハーバード大学は1636年創立のアメリカ最古の大学です。キャンパスはチャールズ川が北側に蛇行した辺りにあり、緑色の森に青い屋根の校舎が点在しているところが中心部です。また、チャールズ川を挟んで対岸のボストンにもキャンパスがあり、フットボール場が見えます。MITのキャンパスはチャールズ川に沿う方形の緑地で、そこには青い屋根の大講堂や赤いスタンドのスタジアムが見えます。因みに、ケンブリッジ市は日本の学園都市つくば市と姉妹都市になっています。

ボストンは、チャールズ川の南側に位置し、17世紀にイギリスからやってきた移民が作り上げた街で、アメリカ東海岸最古の都市です。街の中心部の道路には「フリーダム・トレイル」という赤い線が引かれ、誰でもが名所旧跡を辿れるようになっています。市街の中心部に見える緑地が、そのスタート地点となるボストン・コモンという公園で、それに隣接した緑地はアメリカ初の植物園であるパブリック・ガーデンです。そこから川沿いに整然と区画された街並みが見えますが、赤レンガ造りのビクトリア様式の家が残るバックベイ地区です。この街並みの西のはずれにはバックベイフェンスの森が広がり、この緑地の傍に浮世絵を含む東洋美術の一大コレクションを誇るボストン美術館があります。また、中心街の南の運河には、アメリカ独立革命のきっかけとなった1773年12月16日のボストン茶会事件の3隻のうちの1隻を復元した船が係留されています。

バックベイフェンスの森とチャールズ川との間に見える鮮やかな赤色のグラウンドは、かつてベーブ・ルースが活躍したボストン・レッドソックスの本拠地であるフェンウェイパークです。奇しくも日本文化の粋を集めた美術館の傍らで、2007年春には日本野球を代表する松坂投手がマウンドに立つことになっており、大いに活躍することが期待されます。



観測画像について:
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年 8月16日 15時42分頃(世界標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
 AVNIR-2 は4 つのバンドで地上を観測します。通常は、このうちバンド3 (610 〜 690 ナノメートル)、バンド2 (520 〜 600 ナノメートル)及びバンド1 (420 〜 500 ナノメートル)を赤、緑、青色に割り当て、カラー合成すると肉眼で見たのと同じような色合いとなります。画像には次のようなものが見えています。

深緑色: 森林
緑色や黄土色: 草地、畑地
青っぽい灰色: 市街地、道路
赤、青、白など: 建物の屋根
濃紺: 水面(川、湖、海)
白:
黒: 雲の陰、データのないところ

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
地球が見える 陸地・地形

付録:
広域画像の範囲外ですが、ボストンの南東50 kmのところに1620年にイギリスからやって来た清教徒たちが上陸したプリマスがあります。102人の乗客が乗り込んだメイフラワー号は180トンほどの帆船で、イギリスのプリマスから大西洋を横断してアメリカのプリマスまでの航海は66日間を要しました。
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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