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地球が見える 2006年

八重山諸島と「ちゅらさん」の島

図1 八重山諸島中心部
(Google Earthで見る八重山諸島 (kmz形式、2.14MB、低解像度版))
  図1は陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)が2006年7月に観測した沖縄県の八重山諸島(与那国島と波照間島を除く)です。
画像中央に2つの大きな島が見えていますが、東が石垣島、西が西表島(いりおもてじま)です。画像右上には多良間島が、石垣島と西表島の間には竹富島、小浜島(こはまじま)、黒島、新城島(あらぐすくじま:上地島と下地島から成ります)がそれぞれ見えています。竹富島の南半分や石垣島と西表島の一部は白い雲で覆われています。西表島の北側の海上には白いもやっとした薄い雲がかかっています。

石垣島の北部は濃い緑色に見えていて森林に覆われており、南部は薄茶色に見えていて畑地が広がっていることが分かります。西表島は、沿岸部を除いて大部分が濃い緑色に見えており、森林に覆われていることが分かります。
各島の周りを取り囲むようにサンゴ礁が黄緑や水色に見えています。特に石垣島と西表島の間に広がる海域は石西礁湖(せきせいしょうこ)と呼ばれ、我が国最大のサンゴ礁があることから1972年に、西表島の山地部、石西礁湖に浮かぶ島々とともに西表国立公園に指定されました。

西表島の南西沖に濃紺の海域が見えますが、画像が得られた時間帯には北北東から約3m/sの風が吹いていたので、島陰で風が弱かったものと考えられます。西表島の北西沖の海面には黒い「しわ」のようなものが見えていますが、これは光と風が織り成すものです。海面全体に一様に漣(さざなみ)が立っていれば、太陽の反射で海面が輝いて白く見えますが、風が弱い凪ぎの場所や、逆に大きな波やうねりによって漣からの反射が少ない場所では海面は黒く見えます。

図2 小浜島周辺の拡大図
図2の左側が西表島、中央は小浜島です。西表島と小浜島の海峡、ヨナラ水道を中心とした近海は、マンタ(オニイトマキエイ)が群れ泳ぐ人気のダイビングスポットとなっています。ヨナラ水道は水深9〜30mあり、深いところほど黒く見えています。通称、マンタウェイとも呼ばれ、4〜6月に「待ち」のダイビングスタイルでよく見られるそうです。
マンタウェイの東側、小浜島と嘉弥真島を取り巻くようにサンゴの環礁が見えます。環礁内の水色や青緑に見えるのが比較的水深の浅いところのサンゴ礁です。小浜島の海岸で薄茶色に見えているのはいずれも遠浅の砂浜です。小浜島の北東にある小浜港から石垣島との間を結ぶ高速船とフェリーが発着します。また、島の西南に突き出た岬にあるのは細崎漁港です。いずれの港も堤防内は水深が深いため濃い青に見えます。小浜島は農業も盛んでサトウキビ畑が碁盤の目のように並んで見えています。島の南東部にはゴルフ場も見えています。小浜島はNHK朝の連続ドラマ「ちゅらさん」(平成13年4〜9月放送)の舞台となったことでも有名です。なお、「ちゅらさん」とは、沖縄の方言で美人を意味します。



参照サイト:
西表国立公園(環境省のサイト)
環境省国際サンゴ礁研究・モニタリングセンター

観測画像について:
(図1及び図2)
観測衛星: 陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)
観測センサ: 高性能可視近赤外放射計2 型(AVNIR-2)
観測日時: 2006年7月23日11時46分頃(日本標準時)
地上分解能: 10 m
地図投影法: UTM(ユニバーサル横メルカトール)
 AVNIR-2 は4 つのバンドで地上を観測します。図1及び図2は、このうちバンド3 (610 〜 690 ナノメートル) 、バンド2 (520 〜 600 ナノメートル)、バンド1 (420 〜 500 ナノメートル)に赤、緑、青を割り当ててカラー合成したので、肉眼で見たのと同じような色合いとなり、次のように見えています。

深緑色: 森林
緑色や黄土色: 草地、畑地
薄茶色: 砂浜
青っぽい灰色: 市街地、道路
濃紺: 深い海
水色、明るい青緑色: 浅い海
白: 雲、建物の屋根

関連サイト:
ALOS 解析研究ページ
西表島のマングローブ林を合成開口レーダで見る
サンゴ礁特集①いま、サンゴ礁に何が起こっているか
地球が見える 陸地・地形

付録:
沖縄県で本島に次いで面積が広いのが西表島、3番目が石垣島です。
石垣島は、沖縄本島から南西に411㎞、台湾から東に260㎞の位置にあります。島の中部は、県内で最高峰の山々が連なる山岳地帯になっており、南部には平野が広がっています。湾岸、半島、岬、海浜など多様で豊かな自然環境を有し、亜熱帯気候と島嶼群からなる特性を活かした農業、漁業、観光業を中心に経済活動が営まれています。
西表島は大半が山岳で占められ、大小無数の河川が山をぬって流れ出ています。東部地区の仲間川、西部地区の浦内川の河口流域には、我が国最大のマングローブ林が広がっています。20世紀最大の生物学的発見といわれた「イリオモテヤマネコ」で有名な西表島には手付かずの亜熱帯の動植物が生息しています。
本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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