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地球が見える 2006年

陸も海も明るいシンガポールのSAR画像

図1 JERS-1/SARが捉えた東南アジア
  図1は、地球資源衛星1号(ふよう1号)に搭載された合成開口レーダ(SAR)が捉えた東南アジアです。海や湖などの水面は黒く見えています。陸域は灰色に見えており、インドシナ半島から延びたマレー半島の先端の明るいところがシンガポールです。マレー半島の南西にはマラッカ海峡を挟んでスマトラ島が延びています。

図2 シンガポールのSAR画像
(Google Earthで見るシンガポール (kmz形式、2.98MB、低解像度版))
シンガポール島は菱形をしており、北側はジョホール水道を挟んでマレーシアと接しています。
島の東端にはチャンギ国際空港の2本の滑走路が黒く見えています。島の南端付近にはシェントン・ウェイの高層ビル群を含む中心街が明るく見えています。島の南端のコンテナ・ターミナルにはコンテナの積み下ろしを行うガントリー・クレーンなどの港湾施設が、西部のジュロン工業地帯には石油精製を始めとした各種の工場があり、非常に明るく見えています。南の海上には、明るい点が沢山見えており、多数の船舶が停泊していることが分かります。南部や北部の比較的明るいところは高層の集合住宅を中心とした住宅地です。
シンガポールの国土面積は埋め立てにより徐々に増えていますが、現在約700 km2で430万人の人々が住んでおり、人口密度は約6,100人/km2と日本の18倍に当たります。このため、住宅開発庁が数多くの高層の集合住宅を建設し、国民の85%がそこに住んでいます。 中央部と北部には貯水池が多く、黒く見えています。自然保護区や他の森林は灰色に見えています。マレーシアとシンガポールは北側のコーズウェイ及び西側のトゥアス・セカンド・リンクの2本の道路橋で結ばれています。前者には、マレー鉄道や水のパイプラインも併設されています。シンガポールで消費される水の半分はこのパイプラインを経由してマレーシアから購入・供給され、残りは貯水池に貯まる雨水と再生水で賄われています。
マレーシア側の大部分は灰色に見え、森林であることが分かりますが、ジョホール・バルの他に図右上のジョホール水道に面した所も非常に明るく見えており、工業地帯となっていることが分かります。

図3 シンガポール主要部のSAR画像
図中央やや右に長さ1.5km以上に及ぶ高級商店街オーチャード・ロードが黒い筋として見えています。この他にも幅の広い道路が黒く見えています。図中央やや左にはシンガポール国立大学のキャンパスが見えています。図左にはパンダン貯水池が、図上にはマクリッチ貯水池が黒く見えています。図下のセントーサ島はリゾート地として開発が進められていますが、灰色に見えており、樹木が多いことが分かります。図右のマリ−ナ・イーストとマリーナ・サウスは埋め立て地で、 やはり灰色に見えており、樹木が多いことが分かります。

写真1 海上から見たシェントン・ウェイ
の高層ビル群
写真2 マリーナ・サウス沖に停泊する船舶群
写真1及び2は2006年7月に現地で撮影したものです。図2及び3で明るく見えているものが、高層ビル群であったり、船舶であったりすることが分かります。



観測画像について:
(図1〜3)
観測衛星: 地球資源衛星1号「ふよう1号」(JERS-1)
観測センサ: 合成開口レーダ(SAR)
観測日時: 1998年8月(図1)、1998年9月19日(図2及び3)
観測周波数: 1,275 MHz (Lバンド)
地上分解能: 18 m
地図投影法: UTM (ユニバーサル横メルカトール)
図1〜3は、SARから送信された電波が地表面で反射されてSARに戻ってくる電波の強さを表しています。このため、電波がほとんど戻ってこない水面や滑走路、道路は黒く、電波をよく反射する建築物、橋、港湾施設などの人工構造物、船舶は明るく、森林は中間の灰色に見えています。この地域は高温多湿な熱帯気候帯に属するので、雲がかかっていることが多く、雲のあるなしにかかわらず地表を観測することのできるSARが威力を発揮します。

関連サイト:
地峡を越える、船の近道:パナマ運河
レーダで見る東南アジア・インドシナ半島
東南アジア、インドシナ半島の広域観測画像−光学センサと合成開口レーダの画像からわかること−
JERS-1 SAR全球森林マッピング (GRFM/GBFM) プログラム

付録:
シンガポールの面積は日本の淡路島や東京23区と同じくらいであるとしばしば言われるので、表にまとめてみました。東京23区の人口密度がシンガポールの2倍以上であることが分かります。日中は、近隣の県からの通勤、通学者で、東京23区の人口はもっと増えるので、日中の東京23区の人口密度はさらに高いはずです。
  面積(km2) 人口(人) 人口密度
(人/km2)
シンガポール 700 4,300,000 6,100
淡路島 590 160,000 270
東京23区 620 8,400,000 13,500
日本(参考) 378,000 127,000,000 337

本文ここまで。
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