地球が見える 2006年
AMSR-Eが捉えたラニーニャ
図1はNASAの地球観測衛星Aquaに搭載されているJAXAの改良型高性能マイクロ波放射計AMSR-E(*1)が観測した太平洋とインド洋の赤道域の海面水温を表しています。赤いところは海面水温が高く(最高32℃)、青いところは海面水温が低い(最低12℃)ことを表しています。太平洋赤道域の西部とインド洋に30℃前後の高温の海域が見られます。 図2は図1の海面水温から平年値(過去30年間の平均値)を引いた偏差を示したものです。平年値より高い部分を赤く、低い部分を青く着色しています。太平洋東部から中央部にかけて赤道付近に平年より海面水温の低い青い領域が広がっていることが分かります。 今回の海面水温の低下について、アメリカの海洋大気庁(NOAA)は既に2月2日にラニーニャの発生であると発表しています。発表内容が異なるのは判定の対象としている海域と判定基準が少し異なるためです。 気象庁の判定海域は図中の黒枠の領域(西経90度〜西経150度、北緯5度〜南緯5度。ニーニョ3)ですが、NOAAの判定海域は気象庁の判定海域に対してほぼ半分西にずれた領域(西経120度〜西経170度、北緯5度〜南緯5度。ニーニョ3.4)としています。気象庁はニーニョ3海域の海面水温と平年値との偏差を5ヵ月移動平均した値が、半年以上連続して−0.5℃以下になると「ラニーニャ」と定義しています。一方、NOAAは ニーニョ3.4 海域の海面水温と平年値との偏差を3ヵ月移動平均した値が、−0.5℃以下になると「ラニーニャ」と定義しています。
太平洋赤道域の海面水温の最新情報については、エルニーニョウォッチ "El Niño Watch"ページ をご覧ください。
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