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地球が見える 2006年

衛星画像の地球儀で意外な発見:似ている地形と異なった地形

図1 衛星画像の地球儀「PilotView」(*注)
衛星画像で世界をながめてみると、いろいろな発見があります。地図ではわからない地球のダイナミックな表情や、写真では映らない大きなスケールの地形の特徴など、高度700〜800 kmから見た衛星の目がとらえる地球はとても新鮮です。今回は、この衛星画像の地球儀のいくつかのポイントにズームして、地球を探ってみたいと思います。

図2a 礼文島と利尻島 図2b 種子島と屋久島
最初に、細長い日本列島の北端と南端に近い場所を見てみましょう。図2aは北海道最北端の日本海側に位置する礼文島(左)と利尻島(右)、図2bは鹿児島県の南に位置する種子島(右)と屋久島(左)です。同じ日本とは言え、北と南に離れて位置するこれらの島々が、同じような細長い平らな島と起伏のある円い島の組み合わせから成っているのは面白い偶然です。利尻島には利尻富士として親しまれている標高1,721 mの利尻山がそびえているのに対し、礼文島は全体に低い丘(礼文岳は標高490 m)が連なっています。また、屋久島には標高1,936 mで九州一高い宮之浦岳があるのに対し、種子島は高い所で海抜282 mのなだらかな丘陵地帯です。

図3a 三陸のリアス式海岸 図3b 韓国南部のリアス式海岸
次に、日本とお隣の韓国の海岸線に注目してみましょう。図3aは岩手県の太平洋側に広がる三陸海岸、図3bは韓国南部の東シナ海側に広がる沿岸です。このようなリアス式海岸は、海岸近くの起伏の激しい地形が地盤沈下や海面上昇によって沈み、湾・岬・島などから成る複雑な海岸地形となってできたと考えられています。このシーンからわかるように、韓国南部のリアス式海岸は巨済(コジェ)島、南海(ナムヘ)島、莞(ワン)島、珍(チン)島などのたくさんの島が存在している一方で、三陸のリアス式海岸は岬と湾の続くほとんど島の見当たらない地形であることも興味深い違いです。

図4a タクラマカン沙漠 図4b ナミブ沙漠 図4c デスバレー沙漠
最後に、中国、ナミビア、アメリカの沙漠にズームしてみましょう。図4aは中国西部の新疆ウイグル自治区に広がる、世界2番めの大きさを誇るタクラマカン沙漠です。そこは、シルクロードの南北のルートに挟まれた形で位置する砂沙漠で、沙漠を縦断するホータン川周辺のオアシスを除いては一面に美しい砂のじゅうたんが広がっている様子がわかります。図4bはアフリカ大陸南西部の海岸地帯に細長くのびる、ナミビアのナミブ沙漠です。ここは、世界最古の、世界でもっとも乾燥した沙漠と言われ、赤い砂丘や岩石の多い様子が見てとれます。そして、図4cはアメリカのカリフォルニア州とネバダ州に広がる塩沙漠、デスバレー沙漠です。塩沙漠は、土中の塩分が堆積して作物のできない不毛の地となったところで、塩分の分布した範囲があちこちに白く存在している様子がよくわかります。一言で沙漠と言っても、それぞれが全く違った表情をもち、違った厳しさの環境であることがわかります。

地球上のいくつかのポイントに注目しただけでも、意外な発見があったり目で見て再認識したりすることがあります。また、身近なところと遠く離れたところを比較したり、地球全体をひとつづきに見わたしたりしていると、国境や大陸を超えて地球はひとつなのだということをあらためて実感できるように思います。この「地球が見える」でご紹介している画像をはじめ、たくさんの衛星画像がみなさんの目に触れ、地球への関心が高まることにつながればと思います。



(*注)「PilotView」は、JAXAで構築・公開しているデジタル地球儀です。
現在はツールの提供・サポートは中止しております。

観測画像について:
(図2a〜3b)
観測衛星: LANDSAT5号, 7号(米国)
観測センサ: TM(米国), ETM+(米国)
観測日時: 1997年〜2002年観測分を合成
地上分解能: 30m

(図4a〜4c)
観測衛星: 環境観測技術衛星「みどりII」(ADEOS-II)
観測センサ: グローバルイメージャ(GLI)
観測日時: 2003年4月〜10月観測分を合成
地上分解能: 1km

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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