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地球が見える 2005年

今年も続く黒潮大蛇行

図1 南西日本近海の海面水温画像
(2005年5月4日)
図2 南西日本近海の海面水温画像
(2004年4月29日)
昨年の夏、13年ぶりに始まった黒潮大蛇行(「AMSR-Eで見えた黒潮大蛇行)参照)は今年の春になっても継続しています。図1はNASAの地球観測衛星Aqua搭載に搭載されているMODISによって観測された2005年5月4日午後1時頃の南西日本周辺の海面水温です。四国沖から紀伊半島南方を東へ流れる黒潮は、東海沖で大きく南へ蛇行し、房総沖で再び沿岸に近づいています。これをほぼ1年前の2004年4月29日の海面水温(図2)と比較すると、紀伊半島や遠州灘から黒潮までの距離に大きな違いがあることがわかります。この違いにより沿岸の潮位や漁場などが変わり、人々の生活に大きな影響を与えています。例えば、2005年3月には串本漁港のカツオの水揚げ量は2004年の半分以下になったとの報告があります。

図3 日本南岸の海面水温画像(2005年2月14日〜5月16日)
しかし、4月に入ると紀伊半島沖の黒潮がやや沿岸に近づき、串本漁港のカツオの水揚げ量は先ほどとは逆に増加したとの報告もあります。図3は2005年2月から5月の約半月毎の海面水温画像です。上記の紀伊半島沖以外にも、4月から5月にかけて、関東の南方に位置する八丈島付近での黒潮流路やそれに伴った小規模の渦状の流れも、半月の間でも大きく変わっている様子がわかります。この海面水温画像からうかがえるように、一言で黒潮大蛇行といっても複雑な変動を伴っており、人々の生活にも複雑に影響を与えていると考えられます。また、各画像下の海面水温を見ると、(1)〜(4)ではオレンジ色のおよそ20°Cですが、(6)〜(8)では赤の23〜25°Cになっており、春から初夏に季節が進んだことがわかります。



観測画像について:
(図1)
観測衛星: 地球観測衛星Aqua(NASA)
観測センサ: MODIS(NASA)
観測日時: 2005年5月4日午後1時ころ (日本標準時)
(図2)
観測衛星: 地球観測衛星Terra(NASA)
観測センサ: MODIS(NASA)
観測日時: 2004年4月29日午後1時ころ (日本標準時)
(図3)
観測衛星: 地球観測衛星Terra及びAqua (NASA)
観測センサ: MODIS(NASA)
観測日時: 2005年2月14日〜5月16日(日本標準時)
MODISは36の観測チャンネルを持っていますが、そのうち地表面、海表面や雲の温度を観測するためのチャンネル29(8.400〜8.700μm)、チャンネル31(10.780〜11.280μm)及びチャンネル32(11.770〜12.270μm)の分光輝度値の組み合わせから、JAXA/EORCにて独自に開発したアルゴリズムによる計算式を用いて海面水温を算出しました。元データの空間分解能は1 kmです。 海面水温は、濃い赤ほど水温が高く、濃い青ほど水温が低いことを示しています。海面水温と色の対応は各図右のカラーバーを参照願います。
図1及び2において、陸域と海上の雲の部分の色付けは、MODISの 36 のチャンネルのうち、いずれも可視域のチャンネル1(620 〜 670 nm) に赤、チャンネル4 (545 〜 565 nm) に緑、チャンネル3 (459 〜479 nm) に青を割り当てて合成しています。このため、肉眼で見たのと同様に次のように見えています。元の画像の分解能は1000mです。
図3では陸域は灰色で、海上の雲は白で、データのないところは黒でそれぞれ示されています。

関連サイト:
AMSR-Eで見えた黒潮大蛇行
海洋
MODIS準リアルタイム画像
(1km→SST(海面水温)と進んで画像を参照願います)

本文ここまで。
画像:人工衛星の情報を掲載 サテライトナビゲーター
画像:衛星利用の情報を発信 衛星利用推進サイト
画像:衛星から見た地球のデータ集
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