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南大西洋で初めて観測されたハリケーン
Tropical Cyclone 01L


 南大西洋では、通常海面水温が低く、大気の下層と上層の風速の差が非常に大きいため、ハリケーンが発生しにくいとされてきました(* )が、今回もその条件はあまり変わりません。このハリケーンは、元は温帯低気圧として発生したものが、形を変えて熱帯低気圧として発達したもののようです。これを純粋なハリケーンとして良いのかどうか、専門家の間でも議論の的となっています。

(*) ハリケーンが発生しやすい条件として、赤道付近を除く海洋上で、海面水温が27℃以上であることや、南北方向で大気の気温の差が小さいこと、大気の下層と上層の風速の差が小さいことなどが挙げられています。このような条件を満たすのは、南大西洋やペルー沖の南太平洋を除いた低緯度の海域です。

 図2はPRによる降雨の立体画像と図1の線ABで切った断面の降水量です。これにより、降雨の一番上の高さは8kmとあまり高くないものの、目の外側には強い降水域(赤・黄・緑の部分)があることがわかります。


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