気候変動を引き起こす要因には、太陽活動・火山噴火などの自然起源以外に、エネルギーを作るための化石燃料(石炭・石油・天然ガスなど)の燃焼などで発生する二酸化炭素や、家畜のゲップ・天然ガスの掘り起こす際に発生するメタンなどの温室効果ガスの排出など人為起源のものがあります。こういった要因がどの程度気候変動へ寄与するか定量化する指標として、放射強制力があります。(詳しくは次のセクションで取り上げましょう)。
二酸化炭素が大気中に放出されたときなど、なんらかの変化が起きたときに、その変化を加速させたり、減速させたりするメカニズムをフィードバックと言います。正のフィードバックは温暖化を加速させ、負のフィードバックは温暖化を減速させる方向に働きます。例えば、温暖化すると海氷や雪氷が溶けます。溶けたことにより露わになった陸面や海面は(雪氷面よりも)たくさん太陽光を吸収するため、地球の温度は上がり、温暖化を加速させます。これを「雪氷アルベドフィードバック」と言います。また地球の気温が上がると、大気中に含まれる水蒸気の量が増加し、水蒸気は温室効果ガスなので、温暖化を加速させます。これを「水蒸気フィードバック」と言います。地球上でさまざまなフィードバックが起きて、気温や気象パターンは前とは異なる状態に落ち着き、気候は新たな状態に移ります。
雪氷アルベドフィードバックや水蒸気フィードバックに並んで、代表的なフィードバックに「雲フィードバック」があります。雲も、また、地球の気温が上昇すると変化し、その変化によって気候に影響を与えます。温暖化すると、雲がどのように変化すると考えられているか、次のセクションで見ていきましょう。