ALOS 研究公募 - ALOSデータノード構想

ALOSの搭載センサーから1日に送られてくる総データ量は約700ギガバイトと非常に多く、1機関でその全てを処理・配布・保存することには困難を伴います。しかし、ALOSのデータに対する世界の期待は高いため、JAXAはALOSデータノード構想を立てて、データの処理・配布・保存を分散するメカニズムを構築しました。

各ALOSデータノード(ADN)では、各ノード域内のユーザ・サポートのために、JAXAとの協定に基づき、単独または複数の機関が協力してALOSデータの受信、(場合により)準リアルタイム処理、オフライン処理、配布、利用推進および保存を行います。各ノードは地理的な地域分けに基づいており、ユーザがどこにいるかによって、サポートを担当するノード機関が決まります。この地域分けの概略を、Fig.1に示します。タイ国のタイ地理情報宇宙技術開発機構(GISTDA)も、アジア地域での副ノード機関として、JAXAに協力して東南アジア地域のユーザ・サポートを行う予定です。

GISTDAの担当国: タイ、ミャンマー、ラオス、ヴェトナム、カンボジア、マレーシア、インドネシア、シンガポール、ブルネイ、フィリピン

各ノードでは、JAXAと同じ品質のALOSデータの標準成果品が生産されます。高次レベルの成果品については、各ノードで個別に決定されます。

各ノード機関は、各ノード域内のユーザに対してサポートを行う担当機関ですが、商業的な利用については、各ノード機関が担当地域内の配布やユーザ・サービスを行う地域配布業者(RD)を指定して行わせることができます。JAXAでは、アジアおよびロシア地域の商業配布、ならびに各ノードが指定するRDを統括・調整する主配布業者(PD)として、(財)リモートセンシング技術センター(RESTEC)を指定しました。また、RESTECは、オセアニア・ノード機関であるGeoscience AustraliaとJAXAとの調整により、オセアニア・ノード域内の商業配布も担当することになっています。その他のノードのRDについては、今後、各ノードからアナウンスされることになります。

ただし、PALSARデータの配布に関しては、例外があります。JAXAと経済産業省(METI)とでPALSAR の共同開発を行っているため、METIはPALSARデータの配布や利用等に関して、JAXAと同等の権利を有しています。このため、METIの関連機関である(財)資源・環境観測解析センター(ERSDAC)からもPALSARデータの配布が行われる予定です。従って、このERSDACについては、上述のデータノード構想には含まれておりません。また、ERSDACにおいて処理されるPALSARデータ成果品については、JAXAの標準成果品と同等なものとなる予定ですが、処理アルゴリズムやフォーマット等が異なるため、若干の差異が出る可能性があります。


Fig. 1: ALOS データノードの地域分け概略.