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「フォルモサット・ツー」(FORMOSAT-2)による新潟・福島豪雨災害の観測結果

2011年7月27日から新潟県中越と下越を中心に局地的な豪雨が降り、大雨に伴う災害が発生しました。この豪雨により、堤防の決壊や床上・床下浸水が起こり、各地で被害がもたらされています。

宇宙航空研究開発機構(JAXA)では、センチネルアジア*1を通じて台湾の国家実験研究院(NARL)の協力により提供された、FORMOSAT-2 (フォルモサット・ツー)*2衛星(2011年8月4日(木)9時15分頃観測(日本時間))のデータ解析を実施しました。

図1は、今回観測した画像全体の様子を示したもので、フォルモサット・ツーの3バンドを合成したトゥルーカラー合成画像で表示しており、人の見た目に近くなっています。今回の画像から河川が増水している様子等を確認することができました。
図1: 今回観測した画像全体
図1: 今回観測した画像全体 (クリックで拡大画像へ)

観測日時: 2011年8月4日9時15分頃(日本時間)

黄色枠: 図2~5の範囲

図2から図4は災害後の2011年8月4日に観測されたFORMOSAT-2(フォルモサット・ツー)と災害前の2006年10月19日に観測された陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載の高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー)*3です。フォルモサット・ツーおよびアブニール・ツーのバンド4, 3, 2を合成したフォールスカラー画像で表示しており、植生(赤色)と冠水域(水色)が明瞭に区別できます。災害前後の画像を比較すると、河川の大幅な増水と農耕地が冠水している様子が確認できます。

図2: 信濃川の増水の様子(見附市から魚沼市周辺)(約20km×40kmのエリア)

左図:災害後(2011年8月4日)、右図:災害前(2006年10月19日)

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図3: 信濃川の増水の様子(長岡市周辺)(約8km×8kmのエリア)
図3: 信濃川の増水の様子(長岡市周辺)(約8km×8kmのエリア)

左図:災害後(2011年8月4日)、右図:災害前(2006年10月19日)

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図4: 信濃川の増水の様子(魚沼市周辺)(約8km×8kmのエリア)
図4: 信濃川の増水の様子(魚沼市周辺)(約8km×8kmのエリア)

左図:災害後(2011年8月4日)、右図:災害前(2006年10月19日)

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図5: 守門川周辺(三条市南東部)の様子(約4km×4kmのエリア)
図5: 守門川周辺(三条市南東部)の様子(約4km×4kmのエリア)

左図:災害後(2011年8月4日)、右図:災害前(2006年10月19日)

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図5は三条市南東部の守門川周辺を拡大したものです。画像全体にわたって土砂崩れの跡と思われる筋が多数見られますので、新潟県にも確認をいただくこととしております。

取得された画像は、内閣府、国交省、農水省、新潟県、他 防災関係機関に提供しています。

なお、JAXAでは今後も、国際災害チャータやセンチネルアジアの協力を得て、当該地域の観測、データ解析を継続する予定です。

*1 センチネルアジア:

センチネルアジアはアジア太平洋地域の災害管理に資するため地球観測衛星画像から得られる災害関連情報を共有する活動です。JAXAをはじめとするアジア太平洋地域の宇宙関係機関、アジア防災センター(ADRC)をはじめとする防災関係機関、国連アジア太平洋経済社会委員会(UNESCAP)をはじめとする国際機関、および大学、研究所などが協力して推進しています。得られた衛星画像、解析結果などはWebサイトに公開されています。また、WebサイトのGISにより各種の関連災害情報をGISで表示・解析することが可能です。

*2 FORMOSAT-2(フォルモサット・ツー):

FORMOSAT-2は台湾2機目の高解像度地球観測衛星です。国家宇宙計画局(NSPO、現:台湾国家宇宙センター)によって開発された初のリモートセンシング衛星で、カラー情報を持つ解像度8mの光学センサと、白黒ですが解像度2mの光学センサを搭載しています。

*3 高性能可視近赤外放射計2型(アブニール・ツー):

青域から近赤外域の電磁波を4つのバンドで観測することができる光学センサで、衛星直下を観測の際には幅70kmの範囲を地上10mで識別できる能力があります。また、衛星進行方向に対して東西44度まで観測範囲を変更することができるポインティング機能を有しています。2006年10月19日の画像は0度で取得したものです。

JAXA EORC