画像ライブラリー
陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による中国四川省で発生した地震に関する観測結果について(6)
平成20年5月12日(日本時間、以下同じ)に中国四川省で発生したマグニチュード8.0の大地震による被害状況を把握する為に、宇宙航空研究開発機構(以下JAXA)は、平成20年6月18日に陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)搭載のLバンド合成開口レーダ(PALSAR;パルサー)による現地の緊急観測を実施しました。本観測は、平成19年1月29日に取得した同じ軌道からの画像を使用し、差分干渉処理によって地殻変動状況を把握いたしました。「だいち」は南から北へ飛行しながら、綿陽市を含む領域を観測しました。(図1)
図2左は地震前と地震後の画像を比較した差分干渉画像、右は比較前の南北約500kmにわたる地震後の画像を示したものです。
図3は変動が大きかった領域約200km×75km(図2中白枠内)を拡大したもので、断層運動による変動の様子をより細かく把握する事ができます。推定される断層直上及びその近傍では,変動が大きすぎて変動量の検出が困難になっていると思われます(虹色が不明瞭で、これを干渉度が低いと言います)が、その領域の南北では明瞭な干渉縞が確認でき、これらの領域で地殻変動が起こったことがわかります(図4も参照)。これまでの「だいち」による観測から、今回の地震に伴って広い範囲に渡る大きな地殻変動が生じたことが確認できました。JAXAでは今後も「だいち」による四川省被災地の観測を継続していく予定です。
(注1) 青 → 緑 → 黄 → 赤 → 青(青い領域から青い領域まで、ここまでで1周期=11.8cmの変動)の順番の色の変化は、衛星に近づく変動を表わします。
(注2) 使用データの取得日は、協定世界時(UTC)で平成20年6月17日と平成19年1月28日(それぞれ日本時間で平成20年6月18日と平成19年1月29日)です。
関連記事
JAXA EORC